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1992 年度 実績報告書

プロテインホスファターゼ2Aの活性制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670143
研究機関広島大学

研究代表者

武田 誠郎  広島大学, 医学部, 教授 (40030853)

研究分担者 有木 政博  広島大学, 医学部, 助手 (50212642)
碓井 裕史  広島大学, 医学部, 助教授 (40127618)
キーワードプロテインホスファターゼ / プロテインキナーゼ / ヒト赤血球 / タンパク質のリン酸化-脱リン酸化 / 細胞内情報伝達 / C-キナーゼ / A-キナーゼ
研究概要

1.サブユニットの単離およびホロ酵素の再構成によるサブユニットの機能の解析。-精製したヒト赤血球のホスファターゼ2Aの各サブユニットの機能を知る目的で、α_1β_1のサブユニット構造を持つホロ酵素を6M尿素の存在下でゲル濾過を行い、34KDaのαと63KDaのβを単離した。次いで、尿素の無い条件下でαにβを加えホロ酵素の再構成に成功した。αとα_1β_1の分子活性の比較から予想された様に、βはそれ自身活性を持たないが、触媒サブユニットαに結合して、αのリン酸化H2Bヒストンに対するセリンホスファターゼ活性を抑制し、リン酸化Tyr‐Glu(1:4)ポリマーに対するチロシンホスファターゼ活性を約2倍促進した。
2.各種プロテインキナーゼによるサブユニットのリン酸化とその機能変化の解析。-ヒト赤血球のホスファターゼ2Aの3種のホロ酵素はそれぞれα_1β_1,α_1β_1γ_1,α_1β_1δ_1のサブユニット構造を持つ。γとδはそれぞれ53kDaと74kDaの調節サブユニットである。これら3種のホロ酵素を試験管内で、種々のプロテインキナーゼ、ATP、オカダ酸の存在下で反応させると、cAMP依存性キナーゼ(A‐キナーゼ)でδサブユニットがリン酸化され、Ca‐リン脂質依存性キナーゼ(C‐キナーゼ)でδサブユニットとγサブユニットがリン酸化された。A‐キナーゼによるδのリン酸化により、リン酸化H1ヒストンに対するセリンホスファターゼ活性がわずかに促進を受けたが、他の基質では活性に変化が見られなかった。C‐キナーゼによるリン酸化では活性に変化が見られなかった。
3.各種サブユニットに対する抗体作製とサブユニットの組織分布、細胞内分布の検索。-α_1β_1δ_1よりヘバリン-セファローズを用いてδを単離し、家兎のリンパ球にアジュバントと共に投与したが特異的抗体は得られなかった。α_1β_1を投与した家兎ではαとβに対する抗体が得られた。αを投与した家兎ではαに対する抗体が得られこの抗体によりαおよびα_1β_1は免疫沈降したが、他のホロ酵素は沈降しにくかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hirofumi Usui: "Three distinct forms of type 2A protein phosphatase in human erythrocyte cytosol" The Journal of Biological Chemistry. 263. 3752-3761 (1988)

  • [文献書誌] Hirofumi Usui: "Functions and properties of subunits in type 2A protein phosphatases from human erythrocyte" Advances in protein phosphatases. 6. 287-306 (1991)

  • [文献書誌] 碓井 裕史: "ホスファターゼ,その意義と調節" 代謝. 28. 219-224 (1991)

  • [文献書誌] 武田 誠郎: "セリン/スレオニンホスファターゼの構造と機能" 実験医学. 10. 18-24 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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