ゴシポールの多岐にわたる作用機構の解明の為に、精子をモデルとして実験を進めている。まずは、精子の細胞膜表面に存在するゴシポールの受容体と思われるタンパク質の同定を目標とした。Surf clamであるSpisulaより精子を多量に採取し、Triton X-100を含む溶液で精子を処理後、可容化されたタンパク質の精製をアフィニティーカラムを使って試みた。アフィニティーカラムには、ゴシポールを、またはゴシポールの酸化物であり、精子とのインターラクションのあとでの最初の誘導体であると思われるゴシポロンを、幾種かの市販のアフィニティーゲルにカップリングさせたものを準備した。SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法による解析の結果、数種の特徴的なバンドが観察されており、現在イオン交換ゲルクロマトグラフィー法による精製を試みている。 平成5年度においては、精製を継続し、また精製を終えたタンパク質については、遂次プロテイン・シークエンサーによる一次構造の決定及び抗体の調製を試みる予定である。
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