研究課題/領域番号 |
04670192
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
菊池 昌弘 福岡大学, 医学部, 教授 (80078774)
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研究分担者 |
大島 孝一 福岡大学, 病院, 講師 (50203766)
竹下 盛重 福岡大学, 医学部, 助教授 (90171636)
岩崎 宏 福岡大学, 医学部, 教授 (90101170)
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キーワード | 組織球性壊死性リンパ節炎 / HHV6 |
研究概要 |
本年度までに検索可能であった376症例についての臨床病理像の纏めでは、これまでに確認されている頚部リンパ節に病変を見ることが多く、若年成人でやや女性に多く見られ、自然に治癒するが約5%に再発がみられるという臨床的な特徴ならびに、CD4、CD8陽性細胞の傍皮質ないし皮質での局所性増殖と組織球の関与と多くの核崩壊産物の存在という組織学的特徴を確認し、本疾患が臨床病理学的に単一疾患であることを示した。また、我々の検索例では1例も致死的な経過を辿った例を見いだせず、極めて稀に致死的経過を示す例の報告は見られるが、そのような症例は診断的に問題を抱えている可能性があることを明らかにした。病因としてのウイルス関与についてヒトヘルペスウイルス6型を中心に検討を続けているが、このウイルスの特定遺伝子構造と本疾患との関係を見いだすことは出来なかった。しかしウイルス感染と関係の深いとされるapoptosisに関して、本疾患に見られる核崩壊産物の多くがこのapoptosisの表現であること、並びにこのような変化を示す細胞は、その大多数がCD8陽性リンパ球であることを二重染色による免疫組織学的検索で確認した。このことは、本病変で増殖を示すCD8陽性リンパ球が、何らかの原因によりapoptosisを来たし崩壊することにより病変の進展が支配されていることを示すものである。このような機転を惹起する因子としては、ウイルスが強く示唆されるところである。ヘルペス群でなく、さらにレトロウイルスを含む各種ウイルスについての検索を広げる必要があるとともに、宿主要因に関しても今後さらに検索する必要性があることを明らかにした。
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