研究概要 |
N-myc非増幅型神経芽細胞腫NB69は形態的に異なる二種類のcloneが混成して増殖している。神経突起を有するsmall round cellと、基質に強く接着するflat epithelial-like cellをlimitting dilutionによりcloningした(NB69,NB69S)。S1 nuclease protection assayの結果、NB69Nはc-src mRNAの他に神経特異的c-srcN1 mRNAを強く発現しており、NB69Sはc-src mRNAのみを発現していた。retinoic acid処理の際、NB69Nのみに神経分化が誘導され、その際、c-srcN2 mRNAの発現が上昇した。N-myc遺伝子を1コピーのみ持ち、neuroblasticな性格を有するNB69NをN-myc導入細胞とした。ヒトN-myc遺伝子全長を含むλ phage clone IC10(日本たばこ生命科学研究所・西博士より供与)からN-myc coding exonを発現vector・pRC/RSVへsubcloningし、N-myc発現vectorを構築した。NB69Nに対して、エレクトロポレーション法でN-myc発現vectorとcontrol vectorをそれぞれtransfectionし、G418培地によりネオマイシン耐性を指標にtransfectantを選別した。その結果、N-myc transfectant NB69N47,control transfectant NB69NRを得た。NB69N47におけるN-myc遺伝子のintegrationをSouthem blot hybridizationで確認した。N-myc mRNAの発現をNorthem blottingで分析したところ、N-myc遺伝子が50倍に増幅している神経芽腫RT-BM-1に比べその発現は1/10程度であった。
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