• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

神経系細胞に発現する新しいチロシンキナーゼのcDNAクローニングと機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 04670204
研究機関名古屋大学

研究代表者

高橋 雅英  名古屋大学, 医学部, 講師 (40183446)

研究分担者 日下部 守昭  理化学研究所, 研究員 (60153277)
キーワード神経細胞 / 神経堤細胞 / チロシンキナーゼ / 膜蛋白
研究概要

マウス胎児期の神経細胞に発現する遺伝子を検索する目的で、胎生期8.5日のemobryoの神経管由来細胞株(C3KSP)を樹立した。この細胞株における既知の神経系マーカーの発現を検索した結果、Glial fibrillary acidic protein(GFAP)の発現が検出され、glia細胞への分化が示唆された。さらにこの細胞はDMEM+10%FCSの条件で培養するとメラニン色素を産性する能力を有するので、神経堤細胞を起源としている可能性も考えられる。我々は1つの指標としてチロシンキナーゼの発現に注目し、まずこの細胞中にチロシン燐酸化蛋白が存在するかどうかを抗燐酸化チロシン抗体を用いたWestern blottingにて検索した。その結果、約160kDaの分子量を有する蛋白が著明に燐酸化を受けていることが判明した。C3KSP細胞を膜、細胞質、核分画に分離すると、160kDa蛋白は膜分画のみに検出された。さらに抗燐酸化チロシン抗体で細胞抽出物を免疫沈降後、kinase assayを行うと160kDa蛋白に一致する部分に^<32>Pの取り込みが検出され、160kDa蛋白自身にキナーゼ活性が存在することが強く示唆された。さらに燐酸化をうけた160kDa蛋白をゲルから溶出し、アミノ酸分析を行ったところ、セリン、スレオニン、チロシン残基のすべてに^<32>Pの取り込みが観察さけた。現在までクローニングされているチロシンキナーゼに中で160kDaという分子量に近い蛋白をコードしている遺伝子の発現をノーザンブロット法で検索したが、C3KSP細胞においてはどの遺伝子の発現も見られず、160kDa蛋白は未知のチロシンキナーゼであると考えられた。
来年度はこの160kDa蛋白を精製し、部分アミノ酸配列を決定することによりcDNAクローニングを行う。それにによりこの蛋白の神経系細胞における興味ある役割が明かになるものと期待される。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Takashi Iwamoto: "Neuroblastoma in a transgenic mouse carring a metallothinein/ret fusion gene." Brit.J.Cancer.

  • [文献書誌] Takashi Iwamoto: "cDNA cloming of mouse ret proto-oncogene and its sequence similarity to the cadherin superfamily." Oncogene.

  • [文献書誌] Masahide Takahachi: "Proliferation and neoplastic transformation of pigment cells in metallothinein-ret transgenic mice." Pigment Cell Res.5. 344-347 (1992)

  • [文献書誌] Masahiko Taniguchi: "Establishment and characterization of a malignant melanocytic tumor cell line expressing the ret oncogene." Oncogene. 7. 1491-1496 (1992)

  • [文献書誌] Worawidh Wajjwalku: "Low freaquency of rearrangements of the ret and trk proto-oncogene in Japanese thyroid papillary carcinomas." Jpn.J.Cancer Res.83. 671-675 (1992)

  • [文献書誌] Takashi Iwamoto: "The ret oncogene can induce melanogenesis and melanocyte development in W^V/W^V mice." Exp.Cell.Res.200. 410-415 (1992)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi