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1993 年度 実績報告書

末梢神経における細胞分化・髄鞘形成・脱髄・不死化シュワン細胞を用いた実験的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670218
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

渡部 和彦  東京慈恵会医科大学, 医学部・神経病理, 講師 (30240477)

研究分担者 福田 隆浩  東京慈恵会医科大学, 医学部・神経病理, 助手 (60228913)
田中 順一  東京慈恵会医科大学, 医学部・神経病理, 教授 (60079712)
キーワードシュワン細胞 / 組織培養 / マウス / 後根神経節 / 不死化細胞 / トランスフェクション / スフィンゴミエリノーシス / ヘパリン結合蛋白
研究概要

1.プラスミドpS V3‐neoのトランスフェクションにより,数種の成熟マウス後根神経節由来シュワン細胞株を得た.いずれも蛍光抗体法によりS100,laminin,CNPase,Poが検出され,シュワン細胞の生化学的特徴を有していた.これら細胞株に対する制御因子として,dibutyryl cyclic AMP,forskolin,phorbor esters,platelet derived growth factor(PDGF)‐AA & ‐BB,acidic & basic fibroblast growth factor(a&bFGF),transforming growth factors(TGF)‐beta1&beta2,dimethyl sulfoxide,retinoic acidをそれぞれ培地に添加したところ,dbcAMP,forskolin,retinoic acidにより増殖の抑制を認めた.2.培養成熟マウス・シュワン細胞に対するPDGF,FGF,TGF‐betaの増殖作用およびforskolinの効果について検討したところ,PDGF‐BB,bFGF,TGF‐beta1,beta2が増殖促進効果を有し,forskolinはそれら増殖効果を抑制した.また,TGF‐beta1,beta2の効果発現には,bFGF,あるいはbFGFとは異なる牛胎児血清(FCS)のheparin結合蛋白の共存が必要であった.このheparin結合蛋白の分離・精製を現在検討中である.3.初代成熟マウス・シュワン細胞を10%FCSにて長期培養し,不死化シュワン細胞株を得た.これまで3株を樹立し,いずれも蛍光抗体法でS‐100,laminin,CNPase,Po陽性であった.また,1細胞株の培養上清に初代シュワン細胞に対する増殖効果を認めており,同株が既知あるいは未知の液性増殖因子を産生・分泌していると考えられ,検索中である.4.髄鞘障害マウスの1例であるSphingomyelinosis(spm)マウスから不死化シュワン細胞株を樹立した.同細胞株は電顕下でspmマウスに特徴的な胞体内蓄積物を有し,spmマウスの神経病変を追究する上で有用と考えられた.同細胞株の脂質代謝異常につき,現在検索を行なっている.

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] K.Watabe,et al.: "Mitogenic effects of platelet‐derived growth factor,fibroblast growth factor,transforming growth factor‐beta and heparin‐binding serum factor for adult mouse Schwann cells." J Neurosci Res.(in press).

  • [文献書誌] K.Watabe,et al.: "Growth factors for adult mouse Schwann cells in culture." Can J Ncurol Sci Suppl.4. S75- (1993)

  • [文献書誌] 渡部和彦他: "培養成熟マウス・シュワン細胞に対する各種増殖因子の作用." 神経化学. 32. 404-405 (1993)

  • [文献書誌] 渡部和彦: "低Na血症と脳障害" 腎と透析. 33. 721-724 (1992)

  • [文献書誌] M.Suzuki,etal.: "Transformed cloned cells from micro‐dissected tubules(proximal tubules)." Jikeikai Medical Journal. 39. 119-126 (1992)

  • [文献書誌] T.Morita,et al.: "Transformed cloned cells from rabbit renal cortex." Jikeikai Medical Journal. 39. 49-56 (1992)

  • [文献書誌] 渡部和彦: "腎臓学Key Notes" 東京医学社, 2 (1992)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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