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1993 年度 実績報告書

グラミシジンの抗マラリア作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670227
研究機関名古屋大学

研究代表者

川本 文彦  名古屋大学, 医学部, 講師 (40115556)

キーワードグラミシジンD / 抗生物質 / 抗マラリア作用 / 溶血作用 / マラリア原虫 / 熱帯熱マラリア / マラリア治療薬 / 膜蛋白
研究概要

1. 浸透圧保護試験と電顕観察
グラミシジンによる溶血が感染赤血球膜への損傷ならば、外液に適当な浸透圧保護物質を添加することで防御できる。そこで、種々のポリエチレングライコール(PEG)を添加し、溶血に対する影響を調査した結果、PEG4000の添加でほぼ完全に溶血が阻止された。従って、グラミシジンによる溶血は、膜に37A以上の穴をあけ、ヘモグロビンが溶出するものと判明した。しかし、超薄切片法、走査電顕法、フリーズフラクチャー法などの電顕観察では、説明し得る開口部は認められなかった。感染赤血球から放出された原虫の形態は正常で、グラミシジンの原虫自身に対する影響は少ないものと考えられるが、寄生虫由来膜も破壊を受けておらず、脱出機構は不明である。
2. 熱帯熱マラリア原虫に対する影響
熱帯熱マラリア原虫の増殖性と付着性に対する影響を調査した結果、低濃度のグラミシジン添加より完全に増殖が抑制された。また、熱帯熱マラリア原虫感染赤血球をメラノーマ細胞と共培養し付着させた後、グラミシジンの添加により感染赤血球膜が破壊され、処理区では明かに付着していた感染赤血球の脱落が観察された。この事実は、脳マラリア症などの重症マラリアの治療法の開発に応用出来るものと思われる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "The roles of Ca2+/calmodulin- and cGMP-dependent pathways in gametogenesis of a rodent malaria parasite,Plasmodium berghei." Eur.J.Cell Biol.60. 101-107 (1993)

  • [文献書誌] Kawamoto,F.: "Ionic regulation and signal transduction system involved in the induction mechanism of gametogenesis in malaria parasite." Ann.New York Academy of Sci.707. 431-434 (1993)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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