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1993 年度 研究成果報告書概要

住血吸虫類の染色体進化に関する分子細胞遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670232
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 寄生虫学(含医用動物学)
研究機関京都大学

研究代表者

平井 啓久  京都大学, 霊長類研究所, 助手 (10128308)

研究期間 (年度) 1992 – 1993
キーワード住血吸虫 / 染色体 / ゲノム解析 / FISH / YACクローニング / 減数分裂 / キアズマ頻度 / 種分化
研究概要

下記の3課題を行った。
1。 昨年度発見された日本住血吸虫とマンソン住血吸虫雄のキアズマ頻度差の意義を推測するため、他種との比較分析を行った。キアズマ頻度の推定には、次の2種の方法を使用した。即ち、キアズマ末端化を認めない(介在キアズマだけをキアズマと認める)方法(I)およびキアズマ末端化を認める方法(II)である。比較分析に使用した種および株は下記のものである。大平肺吸虫(Po)、マンソン住血吸虫(Sm)、日本住血吸虫久留米株(SjK)、山梨株(SjY),およびマレー住血吸虫(Smal)。各種の1細胞当たりの平均頻度は、下記のようになった。(I)法では、Po(15.27),Sm(15.25),SjK+SjY(3.0),Smal(8.95)。(II)法では、Po(20.72),Sm(18.30),SjK+SjY(11.70),Smal(12.77)。これらの結果から下記のことが考察された。(1)キアズマ頻度解析においては、(I)法の方がより正確にキアズマの変化を把握できる。(2)キアズマ形成の変化は、染色体の構造変化よりも遺伝子変異に制御されている可能性が高い。(3)株間の遺伝的距離がマンソン住血吸虫と日本住血吸虫の間で大きく異なっていることは、キアズマ頻度の相違が要因のひとつとなっている可能性がある。
2。 YAC-DNAを用いたマンソン住血吸虫のゲノム解析。昨年成功した方法を用いて、現在、100個のYAC-DNAが染色体上にマップされ、第1、2、および3染色体に比較的集中している。キメラは比較的少なくYACクローニングは順調に進んでいるといえる。さらに、近位置に存在するプローブの順位決定を行うための多色FISH法も開発した。
3。 FISHを用いた染色体進化理論の検証。染色体数が2から32本と劇的に変化しているトビキバハリアリ類の染色体変化とC-バンドの関係を探るため、C-バンドと密接な関係にある28SrDNAをプローブとして、C-バンドの変遷を追求した。その結果、rDNAは、3,8,10本の染色体を持つアリでは全て1対の染色体だけに存在するが、18および27本の染色体を持つアリでは、それぞれ、3対および5対染色体に存在した。これは、染色体が数の少ない方から多い方へ分化し、それに付随してrDNAを含んだC-バンド部位が増加したことを物語っている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Hirohisa Hirai et al.: "Multiplication of 28S rDNA and NOR activity in chromosome evolution among ants of the Myrmecia Pilosula species complex." Chromosoma(Berl.). (in press). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] Hirai, H., Yamamoto, M-T., Ofura, K., Satta, Y., Yamada, M., Taylor, R.W.and Imai, H.T.: "Maltiplication of 28s rDNA and NOR activity in chromosome evolution among ants of the Myrmecia Pilosula species complex." Chromosoma (Berl.). (in press). (1994)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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