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1992 年度 実績報告書

毒素原性大腸菌耐熱性下痢毒素の受容体の毒素結合部位

研究課題

研究課題/領域番号 04670242
研究機関東京大学

研究代表者

平山 壽哉  東京大学, 医科学研究所, 助教授 (50050696)

キーワード毒素原性大腸菌 / 細菌毒素 / 毒素受容体 / グアニル酸シクラーゼ / 下痢毒素 / エンテロトキシン
研究概要

毒素原性大腸菌が産生する耐熱性下痢毒素の受容体(STa受容体)は、膜結合型グアニル酸シクラーゼGC-Cであることが明らかになった。その構造と機能を解析する目的でブタGC-C遺伝子のクローニングを行った。ラットGC-C遺伝子の一部をプローブとしてブタの小腸から作製したcDNAライブラリーをスクリーニングした結果、17個のクローンを得た。これらのクローンよりブタGC-C遺伝子の塩基配列(3773塩基)決定した。
ブタGC-Cをコードしている塩基配列は3219塩基で24残基のアミノ酸がシグナルペプチドであり、ブタGC-Cは 1049残基のアミノ酸からなる約121kDaの糖タンパク質であった。 ブタGC-Cの407残基目のIleから430残基目のLeuまでが高い疎水性を示し、 この部分が細胞膜を一介貫通している領域と考えられた。このGC-Cの細胞内領域は心房性ナトリウム利尿ペプチドの受容体として知られる他の膜結合型グアニル酸シクラーゼGC-AやGC-Bと相同性が高く、GC-Cに於いてもNー末端側の細胞外に分布するリガンド結合領域、膜貫通領域、チロシンキナーゼ様領域、グアニル酸シクラーゼ活性領域の4つの領域に機能分けされつと推察された。特にGC-CのC末端部分の60残基のアミノ酸の内約20%がSerとGlnである構造上の特徴を有していた。
ブタGC-CとラットGC-C及びヒトGC-Cのアミノ酸配列の相同性は、それぞれ82%、87%であった。Nー末端側の細胞外領域に於いては71%、76%、Cー末端側の細胞内領域に於いては90%、95%であり、細胞外領域に比べ細胞内領域の相同性が極めて高いことが判った。現在ブタGC-Cのデリージョンミュウタントを作製し、STとの結合部位を調べている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Hirayama: "Glycoprotein receptors for a heat-stable enterotoxin (STh) produced by enterotoxigenic Escherichia xcoli" Infect.Immun.60. 4213-4220 (1992)

  • [文献書誌] A.Wada: "Identification and clonig of the pig receptor for Escherichia coli heat-stable enterotoxin(STa)" Jpn.J.Med.Sci.Biol.45(6). (1992)

  • [文献書誌] Y.Hidaka: "Synthesis and biological properties of guanylin and its analogs" Biochem.Biophys.Res.Commun.178. (1993)

  • [文献書誌] A.Wada: "Binding of various analogs of Escherichia coli heat-stable enterotoxin (STa) to its recombinant pig receptor" J.Biol.Chem.268. (1993)

  • [文献書誌] 平山 壽哉: "毒素原性大腸菌が産生する耐熱性エンテロトキシンのレセプター" Cell Science. 8. 23-32 (1992)

  • [文献書誌] 和田 昭裕: "毒素原性大腸菌の産生する耐熱性エンテロトキシンとその受容体蛋白質" 化学と生物. 30. 224-232 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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