研究課題/領域番号 |
04670243
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
林 哲也 信州大学, 医学部, 助手 (10173014)
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研究分担者 |
津田 雅孝 山口大学, 医学部, 講師 (90172022)
大西 真 信州大学, 医学部, 助手 (10233214)
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キーワード | 緑膿菌 / バクテリオファージ / サイトトキシン / attachment site / cos site / tRNA遺伝子 / R型ピオシン / LPS |
研究概要 |
1.φCTXの解析:(1)cos部位の構造を決定し、21残基からなるco-hesive endの構造を明らかにした。 (2)attP部位のコア構造を同定すると同時に、染色体側の付着部位が、今回新たに見い出したセリンtRNA遺伝子の3'末端領域であることが明らかとなった。この遺伝子の染色体上の存在部位も、遺伝地図上で42〜45分の領域であることさらに、この領域が大腸菌との間で、種の違いを超えてよく保存された領域であることも明らかにした。 (3)attP-cos-ctx領域のきわめて特徴的なDNA構造が明らかとなった。すなわち、多数のリピート・弯曲DNA・IHF結合配列などの存在である。 (4)attPの近傍に、φCTXのcntおよびxis遺伝子と推定される遺伝子を見い出した。 2.φCTXとR型ピオシンの関係:(1)免疫学的にはR1・R5ピオシンに最も近く、宿種域についてはR1ピオシンと同じか、きわめて類似していることがわかった。(2)レセプター分子としては、LPSが同定され、さらに外側コア領域が重要であること、この外側コア領域の構造は血清型と相関があるため、φCTXの宿主域も一定の血清型に限られることもわかった。 (3)他のR型ピオシン関連ファージのうちctx遺伝子を持たないPS17とは、尾部をコードしている領域の一部とのみDNA塩基配列の相同性が見いだされた。ctx遺伝子を持つPS23とは、かなり類似したファージであることがわかったが、宿主域・immunityにおいて明らかな違いが認められた。 3.サイトトキシン類似毒素の検索:ctx遺伝子をプローブとして、コロニーハイブリダイゼーション法により、大腸菌などの腸内細胞.緑膿菌以外のシュードモナス・ナイセリア・ヘモフィルス・運物由来の緑膿菌を全部で数百株スクリーニングしたが、ctxと相同性を持つ遺伝子は見い出されなかった。
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