研究課題/領域番号 |
04670307
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山本 正治 新潟大学, 医学部, 教授 (40018693)
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研究分担者 |
渡辺 厳一 新潟県労働衛生医学協会, 名誉会長 (50018280)
遠藤 和男 新潟大学, 医学部, 助教授 (60176790)
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キーワード | 胆道癌 / 胆嚢癌 / 多因子説 / ジフェンルエーテル系農薬 / クロルニトロフェン / CNP |
研究概要 |
新潟県に多発する胆嚢癌の原因として「多因子説」を考えている。即ち「胆石症や胆嚢炎等を有する者がハイリスク・グループを形成し、彼らが地域特有の環境因子に暴露されることで胆嚢癌が発生する」とする仮説である。地域特有の環境因子として、ジフェニルエーテル系農薬のCNP(クロルニトロフェン)を疑っている。この仮説検証を動物モデルで行うのが本研究の目的である。 実験は2年を要するので今年度は実験群及び投与量の設定、CNP抽出、その後実験を開始した。CNPは製剤からジクロロメタン抽出。動物は雌のシリアン・ゴールデンハムスター(9-10週令)、群は5群を設定。1群は胆石埋込手術+普通食、2群は胆石埋込手術+CNP(5000ppm混餌)、3群は発癌物質3ーメチルコラントレン(3-MC)を含む胆石+普通食、4群は3-MC入り胆石+CNP、5群は胆嚢切開・縫合(sham operation)+普通食である。各群それぞれ20匹を用いた。1及び2群はCNPの発癌性の有無を検索、3及び4群はCNPの補助発癌性の検索である。胆石埋込手術は動物搬入1週後に行い、その後2週間回復を持ち、投与実験を開始した。実験期間は、3群及び4群は第17週までとし、1群、2群及び5群は第78週までを予定している。なお1群及び2群のCNP投与は実験第17週までとし、以後は普通食に変えて実験を継続中である。 動物実験開始時の体重は1〜5群でそれぞそ125.0±7.87、123.1±8.80、122.9±8.94、121.5±7.86、121.0±7.09(g)であり、この間に差を認めなかった。第17週では、それぞれ217.5±12.14、144.7±13.34、211.9±13.78、143.8±17.29、209.8±12.59(g)であり、CNP投与群(2群、4群)の体重増加の抑制が見られたが、中止後は回復した。なお摂餌量には差を認めなかった。補助発癌性をみる3群及び4群は既に屠殺し、現在組織検索中である。
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