研究課題/領域番号 |
04670320
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研究機関 | 神戸女子大学 |
研究代表者 |
小原 郁夫 神戸女子大学, 家政学部, 教授 (30160930)
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研究分担者 |
糸川 嘉則 京都大学, 大学院・医学研究科・社会医学系, 教授 (80025593)
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キーワード | タンパク栄養 / 味覚感受性 / 血清亜鉛濃度 / beta-エンドルフイン / 脳相 / 摂食行動 / 嗜好性 / 消化吸収 |
研究概要 |
A.無処置ラットにおける味覚刺激後の消化酵素及び消化管・血中成分変動の検討 1)ラットにおける脳相消化機能に及ぼす食餌条件の影響(概要は昨年度報告済) この実験結果に関しては、論文作成中である。 2)ELISA法によるbeta-エンドルフィンの測定 味覚刺激に対するbeta-エンドルフィンの挙動を明らかにするために、測定法の検討を行った。高感度で、しかもラジオイムノアツセイよりも安全に行える酵素免疫(ELISA)法によるbeta-エンドルフィンの測定法を確立した。純品の場合には、0〜20のng/mlの範囲で、再現性よく測定が可能である。しかし、血清中の濃度を測定する場合には、回収率に再現性が得られず、血清干渉のあることが分かった。現在血清中から阻害物質を除去するための前処理の検討を進行中である。 B.栄養条件を変えたときの味覚感受性の変化 1)幼若ラットの塩味嗜好性に対するタンパク欠乏の影響(概要は昨年度報告済) この研究はThe Journal of Nutritionに投稿し、現在印刷中である。 2)成熟ラットの塩味感受性に対するタンパク欠乏の影響 塩味感受性の食餌タンパクレベルによる影響を成熟ラットで調べた。0.0、2.5、5.0%精製卵タンパク食を、28日間与えて飼育した。2瓶選択法による嗜好試験を食塩水(2〜86mmol/L)とイオン交換水との間で、14、16、18、20日目に行った。亜鉛とクレアチニンの分析のために尿を採取した。血清亜鉛とクレアチニン濃度測定のために血液を採取した。走査電子顕微鏡により、ラットの舌上皮の観察を行った。味覚感度と腎再吸収率は、無タンパク食群のラットが他のタンパク食群のラットよりも低かった。血清中の亜鉛濃度とクレアチニン濃度は食餌タンパクレベルに影響されなかったが、糸状乳頭の退化と茸状乳頭の味孔の閉塞が無タンパク食群で観察された。この実験は、成熟ラットでは正常な味覚機能を維持するために、少なくとも2.5%の食餌タンパク質が必要であるということを示している。 この研究は論文にまとめ、現在American Journal of Physiolosyに投稿中である。
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