研究課題/領域番号 |
04670321
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
児玉 泰 産業医科大学, 医学部, 教授 (20037360)
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研究分担者 |
嵐谷 奎一 産業医科大学, 医療技術短期大学, 助教授 (10141748)
松野 康二 産業医科大学, 医学部, 講師 (40131940)
川本 俊弘 産業医科大学, 医学部, 助教授 (60177748)
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キーワード | 室内汚染 / 二酸化窒素 / タバコ副流煙 / 暖房機器 / 多環芳香族炭化水素 / 窒素酸化物 / オゾン / リスクアセスメント |
研究概要 |
平成4年度は室内汚染物質の発生源と発生状況を化学的に検索した。各種暖房器具をモデルルーム(気積:45m^3)内で使用し、モデルルーム内のNox濃度を20秒毎に連続的に測定したところ、NO濃度は、対流式石油ストーブと石油ファンヒーター使用時に著しく高値(1.5〜3.0ppm)を示した。No_2濃度もほとんどの暖房器具(電気ストーブは除く)使用時に大気環境基準の上限値0.06ppmを上回り、最高値は基準の約10倍にも達した。CO、CO_2濃度も暖房により著しく上昇したが、浮遊粉塵およびPAHには明らかな変化は認められなかった。モデルルーム内において喫煙を行った場合、室内のNO濃度は上昇したがNO_2濃度は変化しなかった。CO、CO_2濃度も喫煙により上昇し、ビル衛生管理基準を超える場合も観察された。浮遊粉塵とPAHは、タバコ喫煙時に顕著に増加した。暖房と喫煙を同時に行った場合、NO、NO_2、CO、CO_2、浮遊粉塵、PAH、ホルムアルデヒド等の指標は、暖房あるいは喫煙による単独汚染の値を、相加えた値に近い結果を示した。また、コピー機、空気清浄機および蛍光分光光度計からオゾンが発生していることも認められた。しかし、これらの部屋のオゾン気中濃度は、0.04ppm以下(1時間平均濃度)であり、大気中光化学オキシダントの環境基準(0.06ppm)を超える値は観察されなかった。現在、クリーニング店で用いられている石油系ドライクリーニング剤の含有成分の同定を行ったところ、主要成分としてノナン、デカン、およびウンデカンが検出された。ドライクリーニングの済んだ衣類(ズボン)から発生するノナン、デカン、およびウンデカン量は、クリーニング後5日間でそれぞれ0.73mg、1.53mg、1.09mgであった。これら3成分の発生量は日が経つにつれて減少した。
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