研究課題/領域番号 |
04670353
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
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研究分担者 |
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
福永 龍繁 滋賀医科大学, 医学部, 助教授 (70156800)
山田 光子 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80145911)
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キーワード | ABO式血液型 / 分子生物学 / 免疫組織化学 / レクチン組織化学 |
研究概要 |
ヒト男性生殖器官の内、前立腺では、ABO式血液型抗原発現は、異種的であり、例えばA型個体で、A抗原とO(H)抗原がモザイク状に発現されていることは、既に報告している。本年度の検討では、前立腺でのA1型とA2型におけるA抗原とO(H)抗原の発現の相違について抗A(type1〜4糖鎖特異的)、A1(type3,4糖鎖特異的)及びO(H)抗体、血液型A型特異的であるHPA及びDBAレクチン、O型特異的であるUEA-Iレクチンの反応性を検討したが、光学顕微鏡レベルでは顕著な相違は認められなかった。他の臓器について検討したところ、唾液腺や気管腺の粘液細胞、味蕾細胞、胸腺ハッサル氏小体などで顕著な相違が認められた。A1型由来の粘液細胞や味蕾では、抗A抗体、HPA、DBA及びUEA-Iとの反応が顕著に見られ、von Ebner腺は、これらに加えて、抗O(H)抗体とも反応性が見られた。A2型由来の粘液細胞、味蕾やvon Ebner腺では、DBAとの反応性は殆ど見られず、粘液細胞では、抗O(H)抗体と顕著な反応性を示した。ハッサル氏小体では舌腺粘液細胞と同様な反応性が見られ、加えて、A1型個体では、抗A1抗体との反応性が僅かながら認められた。ABO式血液型抗原発現と糖鎖構造は臓器組織で様々に相違し、それぞれの場で複雑に遺伝的支配を受けていることが示された。また、パラフィン包埋組織片からのABO式血液型遺伝子型判定方法を開発を試み、作成後10年経過した組織片からでも確実に遺伝子型判定が可能となった。
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