研究課題/領域番号 |
04670355
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
西向 弘明 愛媛大学, 医学部, 助教授 (00079758)
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研究分担者 |
四宮 薫 愛媛大学, 医学部, 講師 (90035759)
四宮 孝昭 愛媛大学, 医学部, 教授 (30035406)
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キーワード | 蛋白分解酵素 / シアリダーゼ / 電気泳動 / 等電点電気泳動 / 血清蛋白質 / 遺伝的多型 |
研究概要 |
本年度は、これまでに得た成果について更に検討を加え、学会発表を行い論文にまとめることを主に行ったが、各種の蛋白分解酵素で処理した血清(あるいは血漿)を用いた遺伝標識の検索も引き続き行った。また、電気泳動およびエレクトロブロッティグにおける緩衝液組成を比較するとともに、SDS電気泳動法も併用した。補体C4型判定法の詳しい条件は論文(印刷中)に記載したが、カルボキシペプチダーゼBおよびシアリダーゼで同時に処理した場合、血漿、血清を問わず、比較的変性の認められる試料からも型判定は可能であった。さらにC4型検査は、法医学の親子鑑定のみならず、臨床医学における病因研究にも応用が可能であることがわかった。本研究では、IgA腎症、天疱瘡、水泡性類天疱瘡および全身性エリテマトーデスの各患者試料を検査したところ、これらの自己免疫疾患の発症にはC4*AQ0遺伝子が大きく関与していることが明らかになった。この知見は前記の判定法とともに、論文(印刷中)および学会で発表した。次に、前年度に得たアンチトリプシンIII型の判定法、変異型および分類法について、更に検討を加え、論文(印刷中)および学会で報告した。補体C3型に関しても幾つかの知見を得たが、日本人における新しい変異型F02はArgがGlnに置換していることが判明した。これについてはDNAレベルの研究も行い、論文にまとめた(投稿中)。その他、補体HF型、同BF型、同Cls型等についても新しい知見を得ている。法医学的応用の1つとして、血痕からの遺伝標識判定を試みた。血痕浸出液をそのまま試料に用いる場合、ヘモグロビンの混在が型判定に大きく影響を及ぼすが、血痕浸出液をフロリジルと蛋白分解酵素とで処理すると、TF型やHP型が明瞭に判定できることが示唆された。これについては更に検討を加え、論文報告する予定である。
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