研究課題/領域番号 |
04670373
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中野 啓一郎 東京大学, 医学部(病), 助手 (10090490)
|
研究分担者 |
柏戸 敬道 東京大学, 医学部(病), 助手 (20152639)
竹内 二士夫 東京大学, 医学部(病), 助手 (70154979)
|
キーワード | 進行性全身性硬化症 / 補体C4 / TNF / HLA-DR |
研究概要 |
全身性進行性硬化症(PSS)の発症に関与する遺伝子因子を解析するため、日本人PSS患者と正常人のMHCクラスII(HLD-DRタイピング)、クラスIII(補体C4タイピング、TNFとHSP-70のRFLP)を調べ、臨床所見との関連を現討した。C4タイピングの結果、PSS全体では正常人に比してC4AQO、C4A2、C4BQOの頻度が増加していた。抗topo-1抗体陽性PSSではC4A2とC4BQOが有意に増加しており、一方、抗topo-1抗体陰性例ではC4AQOの有意な増加がみられ、抗topo-1抗体の有無により遺伝的背景が明らかに異なっていることが明かになった。(投稿準備中)。Genomic DNAを制限酵素NcoIで切断しTNFprobeを用いてRFLPを調べたところ、10.5kbと5.5kb bandの遺伝子頻度は抗TopoI抗体陽性例ではそれぞれ88.2%と11.8%、抗TpopI抗体陰性例ではそれぞれ54.8%と45.2%であった。抗TopoI抗体陰性例と正常人との間に差異はみられなかったが抗topoI抗体陽性例では明らかに10.5kbの遺伝子頻度が増加していた。10.5kb bandを持つ正常人では単球のTNF産生量が多いことが報告されており、PSSの病態との関連について更に検討が必要と思われる(投稿準備中)。制限酵素PstIを用いてHSP-70のRFLPを調べたが正常人との間に有意差は認められなかった。HLD-DRの各タイプに特異的なprimerを用いたPCR法によりHLA-DRのタイピングを行ったところ抗topoI抗体陽性例をはじめとするdiffuse sclerodermaではDR2との強い相関が認められた。さらにSSCP法を用いてDR2のサブタイプを調べたところ大部分はDRB1*1502であった(投稿中)。以上より、抗topoI陽性のPSSと陰のPSS、あるいはdiffuse sclerodrmaとlimited sclerodermaの遺伝的背景は明らかに異なっていることが明かになった。
|