研究課題/領域番号 |
04670374
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中尾 彰秀 東京大学, 医学部(病)・第一内科, 助手 (10159056)
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研究分担者 |
深川 雅史 東京大学, 医学部(病)・第一内科, 助手 (00211516)
野入 英世 東京大学, 医学部(病)・第一内科, 助手
桑田 昇治 東京大学, 医学部(病)・輸血部, 助手
谷口 茂夫 東京大学, 医学部(病)・第一内科, 助手 (50188380)
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キーワード | 二次性副甲腺機能亢進症 / 1,25(OH)_2ビタミンD受容体 / 副甲状腺細胞増殖調節機構 |
研究概要 |
本研究は二次性副甲状腺機能亢進症の発症の機構をさらに分子生物学的方法を用いて解明し、新たな治療方法の基礎を築こうとするものである。具体的には、活性型ビタミンDに対する抵抗性の本態の解明、副甲状腺細胞増殖調節機構の解明、リンの副甲状腺に対する直接作用の解析を目標とし、また新しく開発されたビタミンDの誘導体に二次性副甲状腺機能亢進症に対する効果とその作用機序を解明しようとするものであった。平成4年度の研究実績は以下のとおりである 1 慢性腎不全のモデル動物として部分腎摘ラットを作用し血中カルシウム、PTHビタミンD代謝産物の測定系を確立した。 2 腎不全ラットにおいて副甲状腺組織でPTHの前駆体のmRNAのレベルをノーザンブロット法を用いて判定量することができる系を確立した。 3 正常および二次性副甲状腺機能亢進症モデルラットの副甲状腺細胞の1,25D受容体をモノクローナル抗体で染色し比較検討した。その結果予備実験ではあるが二次性副甲状腺機能亢進症では1,25D受容体数が減少していることを示唆する結果を得た。また同様のことを遺伝子レベルで検討しえた。すなわち1,25DのcDNAをプローブとして用いたin situ hybridizationを行いほぼ上述の結果と一致する結果を得た。 4 食事中のリン含有量の二次性副甲状腺機能亢進症に対する効果を検討した結果、0.3%以下の低リン食で血清カルシウム、リン、および活性型ビタミンD濃度に変化が見られないにもかかわらず血中PTHおよび副甲状腺組織中のPTHmRNAの発現量が正常対象群のレベルまで抑制されことが解明され、リンの二次性副甲状腺機能亢進症に対する直接的な効果が証明された。
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