研究課題/領域番号 |
04670380
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上床 周 東京大学, 保健センター, 助手 (30133078)
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研究分担者 |
青塚 新一 国立病院医療センター, 臨床研究部, 室長 (80158716)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス / ループス腎炎 / 自己抗体 / C1qコラーゲン部 / 免疫複合体 / 免疫沈着物 / 腎糸球体 / 基底膜 |
研究概要 |
研究代表者は、C1q固相法によってSLE血清中に検出されるC1q結合性物質が免疫複合体ではなくC1qコラーゲン部に対する自己であることをこれまでに明らかにしてきた。この自己抗体の病因的意義を明らかにするため、本研究において、抗C1q自己抗体の腎糸球体への沈着がループス腎炎の発症・増悪に関与している可能性を検討した。すなわち、C1qが腎糸球体に一旦沈着するとそれを介して新たに抗C1q自己抗体が沈着するという最近得た知見に基づいて、腎糸球体免疫沈着物の形態・再構成、沈着部位、沈着の遷延化におよぼす抗C1q自己抗体の影響を検討した。陽性荷電免疫複合体(cationized HSA/antiHSA)-C1q結合物をマウスに投与し、C1qを含有する腎糸球体免疫沈着物を作製した。一方、C1qを伴わない腎糸球体免疫沈着物のモデルとして、還元アルキル化陽性荷電免疫複合体を投与したマウスを用いた。これらのマウスに、C1qアフィニティカラムによって精製した抗C1q自己抗体の投与によって、免疫沈着物の腎糸球体基底膜内皮側への沈着は有意に延長した。これより、抗C1q自己抗体は、免疫沈着物内のC1qと結合することによって、腎炎の遷延化に関与している可能性が示唆された。腎への作用形式をさらに広範に検討するため、C1qコラーゲン部に対するモノクロナール抗体を作製したが、モノクローナル抗体と抗C1q自己抗体とでは、免疫化学的特質が著明に異なっており、このため直接の比較検討は困難であった。そこで、現在、代表的なループスマウスであるMRL/1prマウス由来のモノクローナル抗体を作製中である。 並行して、抗C1q自己抗体のループス腎炎罹患腎よりの抽出を行なった。抗C1q自己抗体とC1qとの結合が塩や酸では解離しがたいことによると想定されるが、抽出量は微量で、解析には不十分であった。より多くの試料を収集し、再度、抽出を試みている。
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