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1992 年度 実績報告書

慢性腎不全の増悪因子としての腎髄質機能障害の役割と治療法の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670383
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

野々口 博史  東京医科歯科大学, 輸血部, 助手 (30218341)

キーワード慢性腎不全 / 腎髄質機能障害 / エンドセリン-1 / 抗利尿ホルモン / 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 糸球体 / 髄質内層準合尿細管 / 浸透圧
研究概要

正常腎におけるエンドセリン1(ET-1)の産生部位は、系球体及び髄質内層集合尿細管(IMCD)であること、またサイトカインの一つであるtrans forming growth factorーβ(TGFーβ)がその産生を増やすことをまず明らかにした(Ujiie,et al.J.Clin.Invest.)。次に最も重要な腎髄質機能である尿濃縮に重要な高浸透圧が、IMCDでのET-1産生を刺激するが、糸球体でのET-1産生には影響しないことを明らかにした(Yang et al.Am.J.physiol.)。これらの結果により、アンギオテンシンIIの100倍の血管収縮作用を有するET-1は、腎内において産生され、腎に作用するというauto-crineあるいはpara-crine式に働くことがわかった。腎髄質障害では尿の濃縮力が低下し、髄質での高浸透圧を形成し得ないことから、IMCDでのET-1産生が低下することが予想される。
次にET-1の生理的役割を明らかにするため、皮質部集合尿細管(CCD)での水、Cl^-再吸収に対する効果を調べた。その結果、ET-1はCCDで水、Cl^-再吸収を抗利尿ホルモン(ADH)の作用と拮抗することで抑制することが明らかになった(Tomita,et al.Am.J.physiol.)。また、ET-1同様Na利尿に働く、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)は、ヘンレの太い上行脚の一部のみにおいてADHと拮抗することを明らかにした(Nonoguchi,etal.J.Clin.Invest.)。さらには、ANPファミリーの一つのurodilatinもANP同様、糸球伸及びIMCDでCGMP産生を刺激することをも明らかにした(Koike,et al.J.Am.Soc.Nephrol.)。
これらの結果をともに、平成5年度は、腎髄質障害時のET-1産生の変化及び、ET-1、ANP、ADHなどの相関についてさらに検討する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kazutomo Ujiie: "Messenger RNA expression and synthesis of endothelin-1 along rat nephron segments" J.Clin.Invest.90. 1043-1048 (1992)

  • [文献書誌] Yoshio Terada: "Different localization of two types of endothelin receptor mRNA in microdissected rat nephron segments using reverse transcription and polymerase chain reaction assay." J.Clin.Invest.90. 107-112 (1992)

  • [文献書誌] Hiroshi Nonoguchi: "Effects of afrial natriuretic peptide and vasopressin on Chloride transport in longーand shortーlooped medullary thick ascending limbs" J.Clin.Invest.90. 349-357 (1992)

  • [文献書誌] Jun Koike: "Effect of urodilatin on cGMP accumulation in the kidney." J.Am.Soc.Nephrol.(1993)

  • [文献書誌] Tianxin Yang: "Effect of hypevomololity on production and mRNA expression of ET-1 in inner medullory collecting cluct" Am.J.Physiol.264. (1993)

  • [文献書誌] Kimio Tomita: "Effects of ET-1 on woter and chloride transport in contical collecting ducts of the rat" Am.J.Physiol.264. (1993)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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