研究課題/領域番号 |
04670406
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器内科学
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
石岡 知憲 秋田大学, 医学部, 助手 (10146772)
|
研究分担者 |
飯塚 政弘 秋田大学, 医学部, 助手 (00241654)
中込 治 秋田大学, 医学部, 教授 (70143047)
千葉 満郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (90150250)
|
研究期間 (年度) |
1992 – 1994
|
キーワード | Crohn病、クローン病 / 分子生物学 / 遺伝子 / イムノスクリーニング / PCR法 / 炎症性腸疾患 / 麻疹ウイルス |
研究概要 |
本研究の目的は、分子生物学的方法を用いてCrohn病の病因となりうる未確認物質をクローニングし同定することである。この目的達成のため、われわれは2つのアプローチ法により研究を行なった。 第1のアプローチ法は、Crohn病患者病変部腸組織よりcDNAライブラリーを作成し、crohn病患者血清によりイムノスクリーニングを行ない、Crohn病の病因に関与していると考えられる物質を同定する方法である。われわれは、この方法にて、120万個のcDNAをスクリーニングし、20個の解析可能の腸性クローンを得ることに成功した。このうちの12個の塩基配列を決定し、解析を行なったが、麻疹ウイルスやその他のウイルス、細菌遺伝子とホモロジーは認められず、Crohn病の病因に感染因子が関与している可能性は小さいことが示唆された。 第2のアプローチ法は、現在Crohn病の病因に関与している可能性が強く示唆されている麻疹ウイルスに焦点を当て、RT-PCR法により、Crohn病患者病変部において麻疹ウイルス遺伝子を証明しようとする試みである。われわれは15例のCrohn病患者病変部腸組織よりRNAを抽出し、4種類の麻疹ウイルス構造蛋白遺伝子(nucleocapsid、matrix、fusion protein、hemagglutinin)に特異的なプライマーを用いてRT-PCRを行なった。その結果、Nucleocapsid遺伝子に対するプライマーを用いたRT-PCRにより、全例に陽性バンドが認められた。しかし、得られた陽性バンドの塩基配列を決定し解析した結果、陽性バンドの塩基配列と麻疹ウイルス遺伝子との間にホモロジーは認められず、陽性バンドは麻疹ウイルスに由来するものではないことが明かとなった。すなわち、麻疹ウイルスがCrohn病の病因に関与している可能性は極めて低いものと結論された。
|