研究概要 |
本年度に入り、それまで得られた劇症肝炎患者血中のラット肝細胞DNA合成抑制活性の成績を英文full paperにまとめ、雑誌Hepatologyに投稿した(in press)。 最終年度は、複数の劇症肝炎患者において、それぞれのCentricon-10ろ液(分子量1万以下)中に認めたDNA合成抑制活性の分離・精製を試みた。これまで検討に用いた患者Aの血漿交換除去血漿検体が残り少なくなった為でもあった。患者Aの血漿ろ液では、抑制活性はヘパリンカラムに保持されたが、患者Bではカラム素通り分画に抑制活性を認めた。更なる検討によりカラム支持体により新たな抑制活性が添加されることが明かとなった。支持体のカルボキシル基等により血漿ろ液中の物質の遊離基が変化する可能性が考えられたが、詳細は不明である。一方、患者B Centricon-10ろ液のAmid80カラムを用いたHPLCでは、やはり素通り分画に元のろ液にはない強い抑制活性を認めた。当初この分画の分析を検討したが、この分画のみpH4台に変化しており、培養液のpHも下げたことから、元のろ液の抑制活性とは異なる性質であると考え保留した。患者Bにおいても患者Aでみられたカラム保持分画に抑制活性の傾向を認めた。しかしそもそもの活性がBはA程強くなかった為か明白な抑制活性は再現性よく得られなかった。第3の患者検体でこの保持分画に元の抑制活性が溶出されるかどうか検討中である。Centricon-3の結果から抑制物質の分子量と考えられる分子量500以上10,000以下の分画を検討するためには、逆浸透膜により低分子量域をカットしなければならない。残存塩濃度を厳密に評価しなければならないことが明かとなった。今後更に検討するつもりである。
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