研究概要 |
C型肝炎ウイルス(HCV)による発癌機構のモデルとして、HCV遺伝子導入トランスジェニックマウスを作製するため、まずHCVの構造遺伝子領域のうちコア蛋白とエンベロープ蛋白部分を発現するための導入遺伝子を準備した。国立予研宮村博士より供与されたHCVクローンpSR39x、pSR824xからそれぞれ切り出したPstI-EcoRI断片をT4DNAポリメラーゼを用いてblunt end化した後、BglIIリンカーを用いて既報の肝特異発現ベクターpBEPxのBglII酵素部位に挿入した。このようにして作製されたプラスミドpBEP39,pBEP824を用いて、まず培養細胞での発現を検討した。一過性発現のシステムでコア、エンベロープ蛋白ともに発現していることが、単クローン抗体を用いたウェスタンブロットで明らかになった。次いでこれらのプラスミドからベクター部分を取り除いて精製したDNA断片をマウス授精卵に導入した。導入マウスとしていは今回はCD-1マウスを用いた。出生してきたマウスの尾からDNAを抽出し、PCRを用いてスクリーニングし、陽性サンプルについてサザンブロットで確認し導入コピー数などを検討した。現在これらの初代マウスをCD-1の掛け合わせてF1マウスを作製しているところである。
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