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1992 年度 実績報告書

単離胃粘膜細胞を用いた胃粘膜の増殖と分化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670430
研究機関大阪大学

研究代表者

永野 公一  大阪大学, 医学部, 助手 (60237542)

研究分担者 林 暢彦  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
辻 晋悟  大阪大学, 医学部附属病院, 医員
キーワード胃粘膜幹細胞 / 胃粘膜細胞増殖 / 胃粘膜細胞培養 / TGFα / EGFレセプター / 増殖因子 / サイトカイン
研究概要

ウサギ胃粘膜より胃粘膜細胞を分離し、エルトリエーターにより細胞のサイズに応じて7つのfractionに分画した。フローサイトメトリーを用いて各分画中の胃粘膜細胞のDNA ploidyパターンを検討した結果、各分画のS期細胞の出現頻度は15-35%で、胃粘膜幹細胞は比較的広い範囲で存在することが判明した。実際に培養を行ってみると、S期細胞出現頻度の高い分画に含まれる胃粘膜細胞での増殖が最も良好で、胃粘膜幹細胞はこの分画に最も多く含まれることが判明した。今年度はこの分画の細胞を用いて、各種増殖因子、サイトカインの胃粘膜細胞増殖に及ぼす影響を検討する予定である。また、胃粘膜細胞のアポトーシス(細胞死)に影響する諸因子についても検討する。
これと平行して、ヒト胃粘膜での増殖因子発現と胃粘膜細胞の増殖との関連性を免疫組織化学で検討を行った。その結果、上皮系の増殖因子であるTGFαは胃粘膜でも広汎に発現されており、特に腺頚部の増殖細胞と壁細胞での発現が顕著であった。TGFαのレセプターであるEGFレセプターの発現も同様の分布を示し、胃粘膜幹細胞、壁細胞はTGFαによるオートクリン増殖様式で増殖する可能性が示された。また、胃潰瘍瘢痕部の再生胃粘膜では、粘膜の再生、増殖を支持する幹細胞は、主に腺底部に存在し、TGFαとEGFレセプターを同時に発現しており、TGFαが潰瘍治癒に促進的に作用している可能性が示唆された。以上の結果をまとめた論文は、現在欧米の一流雑誌に投稿中である。また、その要旨は1993年春の消化器病学会のシンポジウムと一般口演で発表の予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 永野 公一,川野 淳: "酸分泌,HP,組織修復からみた潰瘍治療" 日本消化器病学会雑誌. 90. 305- (1993)

  • [文献書誌] TSUJI S,Kawano S,Nagno K,et al: "Ethanol stimulates immunoreactive endothelin-1 and-2 release from cultured human umbilical vein endothelial cells." Alcoholism;Clinical and Experimental Research. 16(2). 347-349 (1992)

  • [文献書誌] Masuda E,Kawano S,Nagano K,Tsuji S,et al: "Effect of intravascular ethanol on modulation of gastric mucosal integrity-Possible role of endothelin-1." Am J Physiol. 262. G785-G790 (1992)

  • [文献書誌] Tsujii M,Kawano S,Tsuji S,Nagano K,et al: "Ammonia;a possible promotor in Helicobacter pyrolirelated gastric carcinogenesis." Cancer Letters. 65. 15-18 (1992)

  • [文献書誌] Kawano S,Tsuji S,Nagano K,et al.: "Effect of proton pump inhibitor on gastric mucosa hemodynamics and tissue oxygenation in anesthetized rats." Eur J Pharmacology. 211. 55-60 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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