RT-PCR法により増幅して作製したコレシトキニン(CCK)cDNA fragmentをプローブとして、slot-blot analysisをおこなうことにより、小腸内CCKmRNAの測定が可能となり、β-actinのmRNAとの比率により、増減の算出が可能となった。そこで覚醒ラットを用い、膵液胆汁を小腸内から除去した場合の膵外分泌変化、血中CCK濃度変化、CCKmRNAレベルの変化を調べたところ、血中CCK濃度は、1-2時間目に最大となり、4時間目以降は軽度に減少した。CCKmRNAは、4時間目に有意の増加がみられ、24時間目にはふたたび減少した。同時にセクレチンmRNAレベルも測定したが、CCKmRNAの変化とほぼ平行して変動がみられた。 CCK-A-receptor antagonistの一つであるCR-1505を経腸的に持続投与すると、血中CCK濃度は軽度上昇し、小腸内CCKmRNAレベルが、有意に上昇した。しかしセクレチンmRNAは全く変動しなかった。 膵管を結紮してしまうと、血中CCKは上昇するが、膵実質は萎縮する。血中CCK値は28日間にわたって、軽度上昇をしめし、おおきな変動はみられないが、小腸内CCKは、7日目に最低となり、14日目にovershootし、28日目に前値に復する。CCKmRNAレベルは、7日目に軽度上昇し、10-14日目に最大となり、以後減少した。しかしセクレチンmRNA値は全く変動しなかった。PSTI-mRNAは、3日目に最大となり、以後減少した。
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