研究課題/領域番号 |
04670456
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
菊池 喜博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20195217)
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研究分担者 |
山内 広平 東北大学, 医学部, 助手 (20200579)
飛田 渉 東北大学, 医学部, 講師 (10142944)
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キーワード | エンケファリン / アセチルコリン / Microdialysis / グルタミン酸 |
研究概要 |
無麻酔覚醒ラット抵抗負荷モデルで、脳内opioidの一つであるenkephalineの前駆物質preproenkephaline A のmRNA変化をノーザンブロッテング法及びin situ hybridization法により解析した。気管狭窄後1日目より大脳皮質frontal lobeで、caudate putamenに比べpreproenkephalione mRNAの上昇が見られ、これは3日、7日、14日後まで持続していることが確かめられた。これは抵抗負荷による呼吸のストレスにより内因性opioidシステムが特に大脳皮質で活性化され、これが負荷の持続する間続くことを示している。 覚醒ラットにおいて、炭酸ガス負荷ないしは低酸素負荷した場合に遊離されるアセチルコリンをMicrodialysis法により測定した結果では、海馬、帯状回、視床下部などにおいて、10%炭酸ガス30分負荷により遊離Ach濃度が30%-100%増加するとの知見が得られた。これに対し線条体では上昇は見られなかった。低酸素負荷(10%酸素)では、炭酸ガスに比べアセチルコリンの遊離は約50%程度であった。 覚醒ラットにおいて炭酸ガスおよび低酸素負荷時における延髄孤束核(NTS)グルタミン酸濃度変化をmicrodialysis法により調べた結果では、低酸素負荷によりNTSでグルタミン酸濃度の上昇が見られた。同様の反応はCarotid Bodyを刺激する薬物であるDoxapramでも見られ、Carotid Bodyを摘出すると、低酸素換気反応及びグルタミン酸濃度上昇の両者とも消失した。またNMDA受容体阻害剤であるMK801をNTSに前投与した場合には低酸素換気反応は減弱する。この様な実験結果から、低酸素刺激はCarotid bodyで感知された後、sinus nerveを通りNTSに伝えられるが、グルタミン酸はこのNTSにおいてneurotransmitterとして働いていることが示された。
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