研究概要 |
我々は昨年度にヒスタミン処理モルモットに経気道的にエンドセリンを吸入させることにより気管支喘息様発作をひきおこすことに成功した。この気管支喘息様発作はインドメサシンで抑制されることにより,プロスタグランジンの関与が示唆された。今年度はさらにエンドセリン誘発喘息の作用機序を解明するために,肺におけるEndothelinの受容体の分析を行った。その結果平滑筋に局在するA型受容体以外に脳に豊富なB型の受容体が肺に多量に存在することが判明した。B型受容体は腎臓や副腎などに存在が確認されており、その作用は全く不明である。エンドセリンの平滑筋収縮作用以外の生理作用が不明であるため我々は動物実験でB型受容体を有する作用の検索を行った。その結果B型受容体に特異性の高いエンドセリンアナログが動物の体温上昇作用を有することが判明した。又この体温上昇もインドメサシンで抑制された。以上2つの動物実験の結果はエンドセリンの平滑筋収縮作用以外の間接作用がプロスタグランジンの生合成の調節を有するものであり、それはB型受容体とエンドセリンの結合によってひきおこされると考えられる
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