研究課題/領域番号 |
04670504
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
錫村 明生 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50196896)
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研究分担者 |
澤田 誠 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 講師 (10187297)
山本 絋子 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20148258)
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キーワード | ミクログリア / サイトカイン / IL-10 / レトロウイルス / アストロサイト / IL-4 |
研究概要 |
ミクログリアは種々のサイトカインを産生し、中枢神経系におけるサイトカインネットワークの中で重要な働きをしていると考えられる。このサイトカインネットワークにおけるミクログリアの役割を検討する目的で、昨年度までに、抑制性のサイトカイン、IL-4、IL-10およびTGFβのミクログリアにたいする作用を検討し、それぞれ特有にミクログリアの機能を抑制する事を報告してきた。このうちIL-10は最も強力にミクログリアのサイトカイン産生を抑制し、もし中枢神経系に存在するならば、サイトカインネットワークの調節因子として重要であると考えられた。そこで、各グリア細胞について、IL-10の産生、IL-10受容体の表現を検索したところ、ミクログリア、アストロサイトがともにIL-10を産生する事が判明した。この両者はIL-10受容体も表現しており、神経系においてもIL-10がサイトカインネットワークの負の調節因子として重要な働きをしている事が示唆された。 これらのサイトカインの生理、病態生理学的意義について検討する目的で、正常発育段階でのサイトカインの発現、マウスレトロウイルス(LP-BM5)感染の際のサイトカイン産生を検討した。この結果、正常発育段階でみられるサイトカインの発現はIL-1、M-CSFとTNFαなど限られたもののみで、神経栄養因子として働く可能性のあるIL-6やGM-CSFの発現は認められなかった。しかしながらLP-BM5感染の際にはIL-6の発現が認められ、病態において発現するサイトカインと正常発育段階において作用しているサイトカインがあることが明かになった。ミクログリアが生後1-2週で脳内に増えてくるが、ここで働いているのはGM-CSFではなくて、M-CSFであると推測された。
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