研究課題/領域番号 |
04670504
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 藤田保健衛生大学 |
研究代表者 |
錫村 明生 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50196896)
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研究分担者 |
澤田 誠 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (10187297)
山本 〓子 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (20148258)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | ミクログリア / サイトカイン / IL-10 / レトロウイルス / アストロサイト / IL-4 |
研究概要 |
3年間の研究の基本的な柱は(1)ミロクグリアの本態へのアプローチ、(2)サイカインネットワークの解明とその中でのミクログリアの役割、(3)病態でのサイトカインおよびミクログリアの動態の検討であり、(2)について幾つかの新しい知見が得られ、ミクログリアを中心とした神経系のサイトカインネットワークの詳細が明らかになりつつある。 ミクログリアの本態は不明であるが、我々は単求・マクロファージ系の細胞がミクログリアの起源と考えている。しかしながら、マクロファージの抑制因子であるIL-4、IL-10、TGFβの効果はマクロファージにたいする効果とはかなり異なっており、IL-4はミクログリアの増殖を促進させ、IL-10はサイトカインレセプターの表現も抑制した。これれの抑制性サイトカインが神経系のサイトカインネットワークにおいて別々に働いている事が明かになった。末梢のマクロファージが欠如しているop/opマウスにおいても脳内のミクログリアが存在する事が明かになり、このマウスを用いてミクログリアの起源についてアプローチ中である。 ミクログリアとアストロサイトがIL-5やIL-10も産生する事が明かになった。ミクログリアはアストロサイトに比して迅速かつ大量にサイトカインを産生し、かつミクログリア由来のサイトカインがアストロサイトにサイトカイン産生を誘導する事も明らかになり、この細胞がサイトカインネットワークの中心的細胞であると考えられる。これら種々のサイトカインは成熟動物の正常脳ではほとんど認められず、発達段階および病態で誘導される事も明かになった。神経系でのサイトカインの動態を解明は病態の機序並びに今後治療にも応用されうる重要な課題と考えられた。
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