研究課題/領域番号 |
04670511
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
保嶋 実 東北大学, 医学部, 助教授 (90142934)
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研究分担者 |
上月 正博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70234698)
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キーワード | neutral metalloendopeptidase(NEP) / NEP阻害薬 / 標識NEP阻害薬 / radioinhibitory binding assay / ラット腎 |
研究概要 |
〔NEP阻害薬の^<125>Iによる標識〕メタノール濃度勾配法を用いて、NEP阻害薬SCH47896を^<125>Iで標識することに成功した。SCH47896と^<125>Iとを、Iodogenでコーティングしたバイアル内で反応させた。次いで、反応液をSep-pak C18カートリッジを用いて、trifluoroacetic acid、メタノール溶液(濃度勾配40-100%)にて溶出させ、フラクションコレクターを用いて採取した。溶出液中の放射活性ピークは2カ所に認められた。第一はfree ^<125>Iであり、第二は^<125>I-SCH47896である。この第二のピークを貯留し、radioinhibitory binding assayに用いた。〔標識NEP阻害薬を用いたradioinhibitory binding assay法の開発〕標識NEP阻害薬を用いたradioinhibitory binding assay法の開発に成功した。Sprague-Dawleyラット(250-300g)の腎ホモジェネートから遠心法により分離した、NEPに富んだ細胞膜分画を^<125>I-SCH47896と反応させ、遠心分離し、膜分画に結合した^<125>I-SCH47896の放射活性を、ガンマ-カウンターで測定した。次いで、既知濃度のヨード化誘導体SCH48446による^<125>I-SCH47896結合阻害曲線を求め、そのパターンを受容体結合分析ソフトウエアーLigandプログラムでコンピューター解析し、結合様式、結合定数及び結合数を検討した。さらに、種々のNEP阻害薬、EDTAまたはenalaprilatを用い、^<125>I-SCH47896結合阻害曲線を求め、^<125>I-SCH47896のNEPへの結合特異性を検討した。以上の結果、^<125>I-SCH47896のNEPへの結合はsingle site modelに合致し、Kd値は43.3nM、最大結合能(Bmax)は13.8pmol/mg proteinであった。この結合は種々のNEP阻害薬及びEDTAにより抑制されたが、NEPと同じでZn^+metalloendopeptidaseであるアンジオテンシン変換酵素阻害薬enalaprilatでは抑制されなかった。以上より、^<125>I-SCH47896は、NEPの活性部位へ特異的に結合することが示された。
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