研究課題/領域番号 |
04670511
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
保嶋 実 東北大学, 医学部, 助教授 (90142934)
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研究分担者 |
上月 正博 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70234698)
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キーワード | neutral metalloendopeptidase / NEP阻害薬 / 標識NEP阻害薬 / in vitro autoradiography / ラット腎 |
研究概要 |
標識NEP阻害薬〔^<125>I〕SCH47896を用いたIn vitro autoradiography systemの開発に成功した。以下にその概略を述べる。Sprague-Dawleyラット(250〜300g)腎をイソペンタン(-40℃)で凍結させ、cryostatを用いて連続凍結切片(20μm厚)を作製し、スライドグラスに接着させた。その切片をデシケーターで乾燥(4℃、2時間)させ、次いで〔^<125>I〕SCH47896溶液に浸し、20℃で60分間反応させた。氷冷したbufferで洗浄して反応を止め、乾燥後、X線フィルムおよび^<125>Iの放射活性スタンダードと共にX線カセットに装着し、室温で1〜3日間露出させた。X線フィルムを現像し、結合の密度と分布をコンピューター解析し、結合様式をコンピュータープログラムLIGANDを用いて解析した。以上の結果、〔^<125>I〕SCH47896の結合は、主に深在近位尿細管に認められた。また、糸球体および腎浅層の近位曲尿細管に明らかな結合は認められなかった。〔^<125>I〕SCH47896の結合は、single site modelに合致し、種々のNEP阻害薬により用量依存性に抑制されたが、enalaprilatでは抑制されなかった。また、〔^<125>I〕SCH47896の結合は、EDTA(100mM)により90%抑制された。すなわち、〔^<125>I〕SCH47896は、NEPの活性中心への特異的結合能を有することが示された。また、ANPはNEPにより、主に深在の近位尿細管で分解されることが示唆され、さらに、outer cortexの近位曲尿細管は、NEPの主たる局在部位ではないことが示唆された。
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