研究課題/領域番号 |
04670522
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊藤 宏 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10232464)
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研究分担者 |
廣江 道昭 東京医科歯科大学, 医学部, 講師 (80101872)
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キーワード | 心筋肥大 / エンドセリン / ラット培養心筋細胞 / オートクリン機構 / アンギオテンシンII / ETA レセプターアンタゴニスト |
研究概要 |
初年度は、ラット心筋培養をもちいたin vitro study中心に行なった。われわれは最近、エンドセリン-1(ET-1)が培養心筋細胞に対して肥大作用をもつことを示した(Circ.Res.1991)ので、本年度はラット培養心筋細胞における、内因性ET-1のオートクリン機構による心筋肥大作用について、ETA receptor antagonistであるBQ-123を用いた実験などで検討した。 まずラット培養心筋細胞において、ppET-1mRNAが発現していることがNorthern blotおよびin situ hybridizationにて示された。ppET-1mRNAレベルは、アンギオテンシンII(AngII)、ET-1およびTPAにより30分後をピークに亢進された。つぎに内因性のET-1が実際にautocrine factorとして、心筋細胞自体に作用しているかどうかを検討した。まず BQ-123はET-1によるロイシン取り込みの亢進をdoseーdependentに抑制した。さらに、BQ-123はAngIIによるロイシン取り込みの亢進も同様に抑制した。また、ppET-1のcoding regionに対するantisense oligonucleotideはppET-1mRNAをブロックすることにより、AngIIによるロイシン取り込みの亢進を抑制した。これらのことは、AngIIによる心筋肥大に、内因性ET-1が関与することを示唆すると考えられた。以上により、ET-1が心筋細胞により産生され、内因性ET-1がAngIIによる心筋肥大誘発に関与することが示された。またin vivoにおいてもBQ-123が圧負荷による心肥大を抑制することが示唆された。
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