研究課題/領域番号 |
04670537
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
小倉 俊郎 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (80214097)
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研究分担者 |
柏原 直樹 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (10233701)
槙野 博史 岡山大学, 医学部, 助手 (50165685)
平川 秀三 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60156651)
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キーワード | アンギオテンシンII / C-fos / 腎臓 / ACE阻害薬 / PDGF / PCR |
研究概要 |
『Angiotensin II(AII)によるc-fos発現に関する研究』 【実験概略】ネンブタール麻酔下のウイスターラットにAIIを1ug投与し、一定時間後にラットを屠殺し、腎皮質、髄質を採取し、AGPC法にてそれぞれRNAを抽出した。その後v-fos DNAプローベを用いノザンハイブリダイゼーションを行い、C-fos mRNAの発現を検討した。またAII投与とc-fos発現の用量依存性および時間推移もさらに詳細に検討した。【結果概略】c-fos mRNA発現はAII投与10分後に最大となり、30分後にはコントロールの生食投与群と有意差を認めなかった。また、発現量は腎髄質が腎皮質より多かった。【意義】AIIは腎皮質および腎髄質の両者のレセプターを介してごく早期に一過性のc-fosの発現を起こす。このoncogeneの発現は、growth factorの産生をもたらし、増殖に関与していると推察される。現在その証明のため、新たな実験系にて検討中である。また、メサンギウムや平滑筋細胞内の局所のレニン-アンギオテンシン系をACE阻害剤あるいはAIIレセプターのブロッカーが阻止できるかどうかも検討予定である。 『高血圧自然発症ラットにおけるACE阻害剤投与に関する研究』 【実験概略】ACE阻害剤であるcilazapril(CP)10mg/Kgを、12週齢の高血圧自然発症ラット(SHR)に3週間経口投与し、Spiroの方法にて腎糸球体を採取し、RNAを抽出、RT-PCR法にて、PDGFの発現を検討した。【結果概略】CP投与群で血圧の有意の低下と尿量の有意の増加を認めた。CP群でコントロール群に比してPDGF発現の減少を認めた。【意義】ACE阻害剤はSHRにおける腎糸球体よりのPDGFの発現を減少させ、PDGFにより生じる糸球体病変の進展に予防効果があることが考えられた。現在c-fosの発現や他のgrowth factor、AIIレセプターのmRNAの発現など検討中である。
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