研究課題/領域番号 |
04670541
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浦部 由利 九州大学, 医学部, 助手 (10240904)
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研究分担者 |
楢林 英樹 九州大学, 医学部, 助手 (90208083)
下川 宏明 九州大学, 医学部, 講師 (00235681)
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キーワード | 虚血性心臓病 / 経皮的冠動脈形成術 / 加温式バルーンカテーテル |
研究概要 |
冠動脈器質的狭窄に起因する虚血性心臓病の治療法の一つとして、経皮的冠動脈形成術(PTCA)は、現在有用性が広く認められている。しかしながらPTCA施行後、急性期に出現する急性冠動脈閉塞と長期予後に影響を及ぼすPTCA後再狭窄が臨床的に解決すべき問題になっている。最近、米国のSpeawsらは、冠動脈を拡張する時にバルーンカテーテルに80-90℃の熱をごく短期間(10秒間)加えることによりこれらの問題を改善し、PTCAの成績を著しく向上させた。現在では米国各地の病院で採用されている。しかし、彼らは発熱源としてNd : YAG レーザーを用いており、レーザー治療機器を有しない病院ではそのままでは採用できないし、高額でもある。そこで本研究では、発熱源として白金電極を用いた加温式バルーンカテーテルを開発し、臨床応用のための基礎的動物実験を行なうことを目的とするものである。今年度は、つぎのことを行い知見を得た。 1.加温式バルーンカテーテルを共同試作することが進行中である。 市販のバルーンカテーテルのバルーン部分(20mm)のシャフトに白金コイルを組み入れて発熱源とした。白金コイルはリード線で電源と接続し、カテーテルのシャフトに沿わせている。 ついでバルーンカテーテルのバルーン部分及び白金コイルと接触する部分は、耐熱製に優れたシリコン性に変更することにより加温式バルーンカテーテルの試作が進行中である。 2.試作中の加温式バルーンカテーテルを用いて摘出血管に挿入し加温状態を変化させることにより白金コイルの密度や長さについて検討を加えると共に、必要な電気量について実験を行なった。 3.試作中の加温式バルーンカテーテルを用いてin vivoで正常家兎の腹部大動脈の加温拡張実験を行ない、バルーンカテーテルの操作上の問題点や血管のrecoil性の抑制について検討を行なった。
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