c-myc負の調節領域に結合する特異的核蛋白質のクローニングに関しては、HeLa細胞より調整したcDNAライブラリーを用い、サウスーウエスタンブロッティング法により、現在、数個のポジティブクローンを得、シークエンスが進行中である。同時に、ゲルシフト法、DNaseフットプリント法、サウスウエスタン法にて、特異的蛋白の同定を行なっている。また、機能的な側面を検討していくために、ゲノミックDNをクローニングし、このクローンをプラスミドに組み込み、ラット培養平滑筋細胞にトランスフェクションして、機能的な側面を調べていく予定である。また、c-mycと特異的に結合する、Max蛋白の、血管平滑筋における発現および、c-mycとの相互作用より、血管平滑筋増殖および肥大における機能的な役割についても検討中である。さらに、c-myc蛋白の細胞増殖、肥大における機能を調べるためにラット培養平滑筋細胞を用い、アンチャンス法にて、検討したところ、アンギオテンシンIIによる肥大には、c-mycの増加が重要な役割をになっていることを見い出した。(Biochem.Biophys.Res.Commun.in preparation)。なお、遺伝子治療のモデル動物として、ラットバルーンインジュアリーモデルを作製し、現在、組織レニンーアンギオテンシン系を中心にし、各種成長因子やオンコジーン発現に関する実験が、進行中である。
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