研究概要 |
冠動脈疾患治療の方法として確立されている経皮的冠動脈形成術(PTCA)において現在の最大の問題は再狭窄である。PTCA後の再狭窄はPTCAを施行した病変の約30-40%において発生する。 本研究の目的は、ヘパリン,t-PAの投与によって血栓の傷害部への付着を防ぎ、成長因子遊出を阻止することによってPTCA後の再狭窄予防法になり得るかを血管内視鏡および病理学的手法を用いて検討した。 方法は遺伝性高コレステロール血症家兎腸骨動脈に対して血管形成術を行ない、再狭窄モデルを作製した。大腿動脈から血管内視鏡を挿入し、総腸骨動脈の血管内視鏡施行。ガイドロラーテルにそってPTCA用バルーンカテーテルを総腸骨動脈へ導く。バルーン(直径2.5mm)拡大を10気圧・60秒を3回行う(60秒間隔)。バルーン拡張直後および2時間後に血管内視鏡で血管形成術部を視察する。終了後、ガイドワイヤー、バルーンカラーテルを抜去。術後、大腿動脈の血管縫合、創部の消毒、4週間後、右〓動脈切開後、X線透視〓〓大動脈造影用カラーテルを挿入、総腸管動脈遺影施行後、〓〓。左右総腸〓動脈摘出。摘出した動脈を10%ホルマリン〓にて〓流固定する。傷害部位、非傷害部位の組識をH-E染色、Elartica Van Giesen 染色にて観察する。 tPA 7日間投与および非投与群を作製したところ、tPA 7日間投与群では内〓〓形成が阻止され、tPA長期投与がPTCA後の再狭窄防止に有効な方法と考えられていた。
|