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1992 年度 実績報告書

心筋成長因子としてのbasic FGF

研究課題

研究課題/領域番号 04670566
研究機関久留米大学

研究代表者

千葉 未知夫  久留米大学, 医学部, 講師 (10150822)

研究分担者 住田 恵美子  久留米大学, 医学部, 助手 (70226603)
中田 真詩  久留米大学, 医学部, 助手 (70180304)
キーワード成長因子 / FGF / 培養心筋 / 心肥大 / C-myc / α-アクチン / Western blotting / Northern blotting
研究概要

我々は22,24KDの高分子型を含む内因性bFGFがSHRにおいて著明に発現することより、この内因性bFGFが心筋細胞の成長に関与している可能性を推測している。本年度はSHRおよびbFGF産生腫瘍であるhuman rhabdomyosarcoma(A 204 cell)よりheparine affinity columnを使用し内因性bFGFを抽出し培養心筋に対する肥大作用を検討した。培養心筋は新生仔ラット心筋を使用しSimpsonらの方法により作成し、無血清の条件下に実験を行なった。抽出された内因性bFGFはwestern blottingにおいて元来の18KD以外に22,24KDのいわゆるhigh molecular form of bFGFを含むものであった。内因性bFGFの添加は位相差顕微鏡において明らかな培養心筋の発育、肥大を示した。蛋白合成の指標であるPhenylalanineの取り込みは内因性bFGF投与群で対照群の2培以上の高値を示し、内因性bFGFによる心筋の蛋白合成促進が示された。心筋肥大に伴って起こる心筋細胞内の変化としてはoncogeneの出現が報告されているが、内因性bFGFはnorthern blottingにおける検討にてもbFGF添加30分にc-myc mRNAの発現のpeakが認められた。また心筋肥大に伴うActinの質的な変化を検討するためにPrimer extension法によるactin isoformの検索を行なったが、肥大心に認められる骨格筋type α actin(sACT)の遺伝子が内因性bFGFの投与で著明に発現した。このように高分子型bFGFを含む内因性bFGFは培養心筋の肥大を誘発しそれに伴う心筋細胞の分子生物学的な変化も伴っていた。一方、高分子型を含まないrecombinantbFGFの心筋肥大作用は内因性bFGFに比して明らかに軽微であり、この高分子型bFGFが心筋肥大と密接に関連していることを示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 千葉 未知夫: "側副血行路形成におけるBasic Fibroblast Growth Factorの役割" 脈管学. 32. 1219-1223 (1992)

  • [文献書誌] 住田 惠美子: "Fibroblast Growth Factorの心筋細胞肥大作用について" 心筋の構造と代謝 ー1991ー. 371-376 (1991)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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