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1993 年度 実績報告書

増殖因子拮抗剤を用いた経皮的冠動脈形成術後再狭窄の予防に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670570
研究機関国立循環器病センター

研究代表者

下門 顕太郎  国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (30192115)

キーワード血管平滑筋 / 細胞増殖 / 細胞遊走 / チロシンリン酸化 / PTCA / 再狭窄 / PTK阻害剤 / コルヒチン
研究概要

1.前年度チロシンキナーゼ(PTK)阻害剤が血管平滑筋の増殖および遊走を抑制する事を見いだした。今年度はPTK阻害剤の平滑筋増殖遊走抑制の機序を調べる目的で研究し、以下の知見を得た。
(1)PTK阻害剤は平滑筋の増殖遊走を抑制する濃度では、増殖因子レセプターのチロシンリン酸化を阻害しない。しかし抗リン酸化チロシン抗体を用いたウェスタンブロットでは、チロシンリン酸化が阻害される蛋白が複数検出される。この蛋白の同定を試みたが成功しなかった。また、同じ抗体を用いた免疫蛍光抗体染色では細胞辺縁に局在する蛋白のチロシンリン酸化が阻害されることが判った。細胞辺縁にはアクチンをはじめとする遊走に関係する蛋白が存在するので、この部位に局在する蛋白のチロシンリン酸化の阻害が細胞遊走の阻害に関係している可能性がある。
(2)PTK阻害剤は平滑筋細胞の細胞周期を複数の点(G1,S,M)で阻害する。これはチロシンリン酸化が細胞内情報伝達の複数の部位に関与するという最近の知見に一致する。
2.前年度、コルヒチンが培養血管平滑筋の増殖遊走を抑制するが、血管内や腹腔内持続投与では動物モデルの血管平滑筋遊走増殖を抑制しないことを報告した。今年度は目的とする血管局所に薬剤を到達させるシステムとして報告されている、疏水軟膏、親水軟膏、親水性ポリマーなどを用いて、ラット頸動脈バルーン傷害モデルでコルヒチンの効果を検討したが、ヒトにおいて極量とされる以上の量のコルヒチンを投与しても内膜肥厚は抑制できなかった。組織中および血中ではコルヒチンの分解が速やかであることが原因と考えられる。

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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