研究課題/領域番号 |
04670589
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
森島 恒雄 名古屋大学, 医学部, 講師 (90157892)
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研究分担者 |
堀部 敬三 名古屋大学, 医学部, 講師 (30209308)
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キーワード | PCR / 単純ヘルペスウイルス / ウイルス性脳炎 / 抗ウイルス剤 / サイトメガロウイルス / 出生前診断 / ウイルスDNA / 早期診断 |
研究概要 |
遺伝子診断技術の1つであるpolymerase chain reaction(PCR)法を用いて、予後の悪い疾患であるウイルス性脳炎の早期診断を試み、以下に示す結果を得た。 1.単純ヘルプス脳炎(以下HSEと略)患者全例の急性期髓液中からウイルスDNAがPCR法にて検出された。一方、陰性コントロール(他のウイルス性脳炎患者)の髓液ではすべて陰性であった。 2.抗ウイルス剤による治療開始とともに、ウイルスDNAは消失していき、治療開始後1〜2週で全例陰性化した。したがって本法は、治療効果判定上も有用と思われる。 3.エンテロウイルス脳炎は、エンテロウイルスが数十種に及ぶため、病因診断が非常に困難である。そのためエンテロウイルスに共通するPCR法用のプライマー領域を検討し、コクサッキーA、B、及びエコーウイルスの大部分を増幅するプライマー領域をみつけた。今後、これを実際の患者検体に応用していく予定である。 4.ヒトサイトメガロウイルス(以下CMU)は、先天感染を生じ、児の中枢神経系に高頻度に障害を残すことで知られている。CMU胎内感染が証明された例の中で、神経系の障害が進行する例で、CMU-DNAが髓液中に検出された。又、出生前診断として、羊水中からCMU-DNAが見つかり、ウイルス分離より早期に診断が可能となった症例もある。 以上のように、平成4年度はいくつかの点で成果があったと思われる。今後、各病態でのウイルスゲノムは存在様式などについて、検討も重ねていく。又、エンテロウイルスについては、脳炎・髓膜炎の実際の病因診断に応用すべく準備中である。
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