研究課題/領域番号 |
04670590
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長嶋 正實 名古屋大学, 医学部, 講師 (80101666)
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研究分担者 |
後藤 雅彦 名古屋大学, 医学部, 医員
辻 明人 名古屋大学, 医学部, 助手 (80207357)
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キーワード | 先天性心疾患 / 不整脈 / 水泳 / 潜水 / 顔面浸水 / 水中心電図 / 小児 |
研究概要 |
【目的】先天性心疾患術後患児と不整脈児の水中での心拍数変化や出現する不整脈を明らかにすること。 【対象】先天性心疾患術後患児13例、不整脈児4例、意識消失発作の既往1例、プールでのニアミス例1例の計19例。男児14例、女児5例、平均年齢は、10.5±2.2歳であった。 【方法】これまで、われわれが行ってきた方法に準じた。 【結果】I.心拍数変化 1.潜水:平均潜水時間は、19.1±9.8秒、breaking pointにおける最小心拍数率は58.4±15.3%であった。 2.顔面浸水:平均顔面浸水時間は、常温水25.6±8.7秒、冷水19.3±7.5秒、最小心拍数率は常温水67±16%、冷水59±18%であった。プールでニアミスをおこした例では、冷水顔面浸水で最大3.75秒の心停止がみられた。 3.水泳:平均心拍数は水泳前109.4±19.7/分、水泳後159.7±25.9/分、ジョギング前95.0±21.2/分、ジョギング後144.1±15.3/分であり、上昇率は水泳50.0%、ジョギング51.7%であった。 II.不整脈の出現 安静時より不整脈を認めたのは9例(上室性頻拍(SVT)3例、心室性期外収縮(VPC)3例、多形性VPC1例、上室性期外収縮(SVPC)1例、1度房室ブロック(1AVB)1例)あった。 1.顔面浸水(常温水):9例が有意な不整脈(VPC5、SVT2、SVT+VPC1、1AVB1)を認めた。 2.顔面浸水(冷水):10例が有意な不整脈(VPC3、SVT2、多形性VPC+SVPC・SVT+VPC・2連発VPC・SVPC・1AVB各1例)を認めた。 3.潜水:10例が有意な不整脈(単形性VPC5、多形性VPC2、2連発VPC・1AVB・SVT+VPC各1例)を認めた。 4.水泳:4例が有意な不整脈(心室頻拍(VT)、SVT、SVPC、1AVB、各1例)を認めた。 【まとめ】両大血管右室起始+肺動脈狭窄症術後の1例は水泳中にVTを、潜水中、顔面浸水中にVPCを認め、冷水顔面浸水中には、多形性VPCも認めた。プールでのニアミス例では、冷水顔面浸水で最大3.75秒の心停止を認めた。その他の症例は、水泳中または潜水中に出現する不整脈は、安静時または顔面浸水などの陸上の検査でほぼ予測可能であった。
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