研究分担者 |
井上 勝 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員 (20253023)
久保 俊英 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (50252961)
田中 弘之 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (80231413)
神崎 晋 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (90224873)
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研究概要 |
骨形成の指標としてのintact osteocalcin(I-OC),propeptideof pro-osteocalcin(P-OC),及び吸収の指標としてのN-terminal OC(N-OC)の有用性を検討するために,正常小児及び成長ホルモン(GH)投与時の下垂体性低身長児を対象に血中濃度を測定し検討した. 年齢に伴う変動はI-OC,P-OC,N-OCとも身長増加率曲線と平行した動きを示し,思春期に高値を示す傾向が認められた. GH投与に伴う変動を経時的に検討したところ,GH投与1カ月でI-OC,P-OCは明らかな上昇を示し,GH投与前1年間の身長増加とI-OC,P-OC値並びに,GH投与開始1カ月目のI-OC,P-OC値と投与開始1年間の身長増加の間にはそれぞれ正の相関が認められた.N-OCもGH投与に伴い上昇する傾向がみられたが,I-OCやP-OCの上昇に比べて軽度で遅延する傾向がみられた. 上記の如く,I-OC,P-OCは急激な身長増加を認める思春期やGH投与に伴い増加を示すことから,共に骨形成の指標として有用と考えられた.また,GH投与1カ月目のI-OC,P-OC値がGH投与1年間の身長増加を反映したことからこれらpropeptideがGH投与の効果を早期に反映する指標として有用なことが示唆された.一方,N-OCも思春期に高値を示したことから,思春期には骨形成の増大と共に吸収も亢進し,骨の代謝回転そのものが亢進していることが示唆された.
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