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1992 年度 実績報告書

成人T細胞白血病ウイルスの母児感染に関する研究-安全かつ適切な母乳投与のガイドラインの設定について-

研究課題

研究課題/領域番号 04670608
研究機関鹿児島大学

研究代表者

川上 清  鹿児島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50152921)

研究分担者 沖 利貴  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (30107867)
藤吉 利信  鹿児島大学, 医学部, 助教授 (50173480)
中園 伸一  鹿児島大学, 医学部, 助手 (70237288)
嶽崎 俊郎  鹿児島大学, 医学部・附属病院, 助手 (50227013)
キーワードHTLV-I母児感染 / 短期母乳哺育 / 長期母乳哺育 / 人工乳哺育
研究概要

成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)キャリアから出生した児で母児感染研究対象者(追跡児)は1992年12月31日現在815名となった。そのうちHTLV-I移行抗体の影響の無い1歳以上の追跡児291名において、母乳哺育群と人工乳哺育群とでのHTLV-I抗体の陽転した児の比較検討を行い、一部はPCR法による検討も行った。また追跡児の同胞で2歳以上の234名についても同様の検討を行ない以下の結果を得た。
(1)母乳哺育群のHTLV-I感染率(5/58=8.6%)と人工乳哺育群の感染率(15/233=6.4%)との間には有意差がなかった。(2)7か月以上の長期母乳哺育群(3/10=30.0%)は6か月以内の短期母乳哺育群に比べHTLV-I感染率が有意に高かった(p=0.0318)。人工乳哺育群と長期母乳哺育群でも長期母乳哺育群が有意に感染率が高かった(p=0.0296)が、人工乳哺育群と短期母乳哺育群とでは感染率には差がなかった。(3)追跡児の同胞においても短期母乳哺育群(3/72=4.2%)に比べ長期母乳哺育群(20/138=14.5%)の感染率が有意に高かった(p=0.0162)。(4)追跡児と同胞を合わせた群についても短期母乳哺育群に比し長期母乳哺育群がHTLV-I感染率が有意に高く(P<0.01)、人工乳哺育群に比しても長期母乳哺育群の感染率が高かった(P<0.01)。しかし6か月以内の短期母乳哺育群は人工乳哺育群とHTLV-I感染率に差はなく、6か月以内の短期母乳哺育はHTLV-I経母乳感染のリスクは低いことが判った。
今後さらに児の例数を増やして各群の検討を行うことが必要と思われ、また母乳以外の母児感染の究明も必要と思われた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中村 茂行: "HTLV-I母児感染追跡児で抗体再上昇を認めた17例" 臨床血液(抄録). 33. 1480- (1992)

  • [文献書誌] 中園 伸一: "南九州におけるHTLV-I母子感染の追跡調査(1986-1991)" 厚生省心身障害研究.母子感染防止に関する研究 平成3年度 研究報告書. 72-75 (1992)

  • [文献書誌] 園田 俊郎: "HTLV-I母子感染の研究の現状" 臨床とウイルス. 20. 374-377 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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