研究課題/領域番号 |
04670610
|
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
松山 秀介 横浜市立大学, 医学部, 教授 (20045983)
|
研究分担者 |
甲斐 純夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (10233644)
生田 孝一郎 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80159590)
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50106316)
|
キーワード | 白血病 / 微少残存病変 / 免疫グロブリン超可変領域 / 遺伝子工学 |
研究概要 |
1.免疫グロブリン重鎖遺伝子超可変領域(DH)の患者白血病細胞特異的塩基配列の決定 当初の計画のとおり、10例のBリンパ系白血病患者についてPCR(Polymerase Chain Reaction)法を用いてDH領域のDNAを増幅し、5例についてDideoxy法を用いて患者白血病細胞特異的な塩基配列を決定した。このうちの4例について詳細な解析を行い、最も特異性の高い部分の塩基配列をもとに、サザンブロットハイブリダイゼーション用のプローブをデザインし、これを作成した。 2.完全寛解中の骨髄における微小残存白血病細胞の同定 プローブを作成した4例の患者について、寛解期骨髄よりDNAを抽出し、同様にPCRを行い、DH領域を増幅した。得られたPCR産物をアガロースゲル電気泳動し、ナイロンフィルターに移した後、先に作成した患者白血病細胞特異的プローブを用いて、サザンブロットハイブリダイゼーションを行い、その結果を解析した。4例中2例では、初発時に強いバンドを認め、完全寛解以降はバンドは認められなかった。このことは白血病細胞と同一のDH領域の塩基配列をもった細胞が寛解期には消失していることを意味し、この所見は患者の臨床経過と一致していた。これは遺伝子レベルでの完全寛解を示していると考えられた。完全寛解の"質"、すなわち白血病細胞の残存する量については、現在コントロールDNAを用いた段階希釈法により検討しているところである。しかし残りの2例については、臨床経過や形態学的所見とは無関係に非特異的バンドが出現してしまった。原因として、【.encircled1.】PCRの設定条件による非特異的塩基配列の出現、【.encircled2.】ハイブリダイゼーションの温度設定等による非特異的バンドの出現、【.encircled3.】特異的プローブのデザイン不良による特異性の低下、等が考えられた。【.encircled1.】【.encircled2.】については条件設定をより厳密なものとし、再度検討を行ったが、やはり非特異的なバンドが出現してしまい、現在【.encircled3.】について検討中である。再度の早期発見に関しては、いまだ再発をきたした症例がないために検討に至っていない。
|