研究課題/領域番号 |
04670611
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
浜岡 建城 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60189602)
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研究分担者 |
尾内 善四郎 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (20079875)
大持 寛 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60177003)
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キーワード | 川崎病 / 冠動脈後遺症 / 微小冠循環障害 / 冠血管床 / 微細構造 / 冠予備 / 心筋虚血 |
研究概要 |
現在まで、冠動脈造影検査時に心筋生検を施行し、冠血管系の微細構造を検討しえた川崎病既往児は計21例であった。そのうち、胸痛発作の既往、あるいは非観血的検査上で虚血性所見を有するものの冠動脈造影で明らかな狭窄性痛変を認めず、かつ安静時での左室壁運動異常を認めない症例は6例。一方、拡大性あるいは狭窄性病変を有するものの臨床上で明らかな虚血性所見や冠予備低下を認めない症例15例であった。これら対象例において観察された組織所見は以下の通りであった。 1.光顕所見:軽度の空胞変化及び細胞配列の乱れのほか、間質の浮腫及び線維化がみられた。また間質の微小血管(毛細血管)の増生が明らかで、一部で内皮細胞の腫大と内腔の拡大が認められた。 2.電顕所見:心筋束の軽度の変性、空胞化とミエリン変化を伴うミトコンドリアの明らかな増生が高頻度に認められた。またcapillary vesselsの増大と内皮細胞の腫大、内腔拡大傾向が確認された。その他、細胞間junctionの部分的破壊・細胞内のlipid droplet・間質のperi-vasculas edemaとfibrosisの所見が得られた。 これら、ミトコンドリア増生を伴う細胞変性と、微小血管増生(内皮細胞腫大を伴う)・間質線維心などの所見は未だ定性的評価ではあるが冠動脈病変の程度や虚血所見の有無とは明らかな関連はなく、程度の差はあるものの対象21例のほとんどで同様に観察された。このことは、川崎病既往児において微小循環障害が存在あるいは出現しうることを示唆している。今後、所見の定量化と共に、臨床像や造影所見等の背景因子との関連性について検討していく予定である。
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