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1993 年度 実績報告書

小児脳腫瘍の遺伝子治療に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04670620
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

松島 宏  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70190460)

研究分担者 佐久間 秀哉  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00246406)
中江 陽一郎  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (40188876)
奥野 章  東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (70147289)
前川 喜平  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (80056613)
キーワード脳腫瘍 / 遺伝子治療 / 神経成長因子 / 神経成長因子受容体
研究概要

本年度は、ラット中枢神経系神経芽細胞腫B104細胞内に、高親和性の神経成長因子受容体をコードすることが推定されているプロトオンコジーンtrkA cDNAをトランスフェクションし、得られたトランスフェクタントB104‐trkA細胞がin vitroでNGF投与に反応して、腫瘍の増殖抑制を伴う分化誘導を受けるか否かを検討した。
1.trkAトランスフェクタントは種々の程度のtrkA mRNAを発現した。 2.いずれのtrkA発現株もNGF投与にひきつづいてimmediate early responseとしてのc‐fos mRNAの一過性の発現を示した。 3.B104‐trkAトランスフェクタントはNGF投与後5分で、発現した140‐kDa TRKのチロシンリン酸化、150‐kDa、PLC‐gamma、42‐、45‐kDa ERK蛋白の活性化を引き起こした。 4.B104‐trkAトランスフェクタントのNGF長期間処置は増殖抑制を伴う形態学的分化を引き起こした。さらにこの変化は、内因性の低親和性NGF受容体(gp75^<NGFR>)mRNAの発現抑制を伴っていた。 5.形態学的分化を引き起こしたB104‐trkA細胞では、Northernブロットにて、神経特異的遺伝子としての各種遺伝子(MAP‐2、GAP‐43等)の発現がみられた。 6.これらのlate responseはN‐mycの持続発現株B104‐N‐myc/trkAでは認められなかった。
以上の結果は、導入されたtrkA cDNAが神経芽細胞内において機能的NGF/NGFRカスケードを構築し、NGF投与にひきつづいて、未分化神経芽細胞を増殖抑制を伴う分化へと誘導しうることを示すものである。また、N‐mycの持続発現がNGF/trkAによる、神経細胞の分化誘導機構をブロックすることも明らかにした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] MATSUSHIMA,H.: "Transfection with nerve growth factor(NGF)receptor complementary DNA" Methods Neurosci. 12. 156-168 (1993)

  • [文献書誌] MATSUSHIMA,H.: "Expression of trkA cDNA in Neuroblastoma mediates differentiation in vitro and in vivo" Mol.Cell Biol. 13. 7447-7456 (1993)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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