研究概要 |
JRA全身型では外因性凝固機序の活性化がおこっており、凝固・線溶系の両者がともに亢進している状態にある。この原因の一つとして組織障害の結果生ずる組織因子の循環血液中の流出によるものといえる。また、インターロイキンIによる肝でのHDLコレステロール産生低下がみられ、その結果リポ蛋白質と結合するリポ蛋白質結合性外因系凝固インヒビター(TFP1)の減少となり組織因子活性化が生じている可能性が明らかである。すなわち、組織因子活性化が生じている可能性が明らかである。すなわち、組織障害および肝でのリポ蛋白質合成低下の2つの要素が外因性凝固機序活性化に関与していといえる。CINCA症候群の長期生存例では大量の副腎皮質ステロイド剤の投与が必要であり、一部にはサラゾピリンの投与が寛解状態を延長できる可能性がある。CINCA症候群にみられる低身長に対して、ヒト成長ホルモン投与をおこなっても身長増加は期待できず、本症候群の主なる〓症病変である成長軟骨に対する早期治療の開発が必要である。CINCA症候群の疹痛,硬結を伴う皮フ病変に対しては経口投与下の副腎皮質ステロイド剤の効果はなく,非ステロイド系抗異症剤の軟膏塗布である程度の改善が可能である。本症候群の主病変は成長軟骨にあることより,JRAとは異なった病態といえリウマチ類緑疾患の一つと認めてよいといえる。原因は不明であるが、出生時よりIgM値の高値がみられなんらかの胎内感染のあった可能性がある。海外文献例と異なり,日本人CINCA症候群患児には上腕骨近位端の異常骨増殖のあることが特徴であり,人種差なのかどうか今後は分子生物学的手法により解析する必要がある。
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