研究分担者 |
前野 泰樹 久留米大学, 医学部, 助手 (90248401)
三宅 巧 久留米大学, 医学部, 助手 (80229814)
清松 由美 久留米大学, 医学部, 助手 (10214917)
豊田 温 久留米大学, 医学部, 助手 (40237152)
力武 典子 久留米大学, 医学部, 助手 (40201868)
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研究概要 |
1,先天性心疾患,胎児不整脈の出生前診断;胎児心エコーを1080例に対して施行した。妊娠16週より40週において、先天性心疾患34例,および胎児不整脈44例を出生前診断できた。 2,本年度は,4例の先天性心疾患において産科医と協力し,心内構造の胎内での経時的変化の記録,薬理学的治験に基く計画的胎内治療,厳重な周産期管理(出生直後からの有効な治療)を行いえた。 (1)心内構造異常の発生;三尖弁異型性の症例において,著名な三尖弁閉鎖不全により右室圧が低下することにより2次的な変化として肺動脈弁狭窄が進行,機能的閉鎖が出現することを胎内にて確認できた。 (2)胎内治療;在胎29週時に胎児水腫に進行した重症大動脈弁狭窄症および心内膜線維弾性症例において,母体に静注での急速飽和および経口的な維持量のdigoxinを計画的にまた血中濃度モニタリングしながら投与し経胎盤的治療を行い,その後2ヵ月間胎児水腫の進行をとめ,妊娠を継続できた。(本邦では先天性心疾患による胎児水腫に対して,薬物的胎内治療の有効例の報告はなく最初の症例となる。) (3)出生後治療への効果;分娩前よりスタッフや器具等を準備し、出生直後よりNICUにて集中治療を施行できる。重症大動脈弁狭窄症の1例では0生日に心臓カテーテル法により経皮的バルーン弁形成術を施行。完全房室ブロックの合併例は0生日に体外式ペーシングを、1生日にペースメーカー植え込みを施行した。 3,母体糖尿病症例において,胎児および新生児の心形態(心筋肥厚)心機能を経時的に測定し正常な胎児および新生児と比較した。この結果、母体糖尿病コントロールが良好な症例では,差は認めなかった。したがって、母体コントロールの重要性を裏づけできた(過去の米国の報告と反する結果となった。)
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