研究概要 |
(1)1991年度のロタウイルス血清型疫学調査の成績として集計の終った東京,久留米,舞鶴,大阪,香川の成績及び,中国の成績を報告する。札幌,秋田の成績は,まだ集計されていない。また1992年度については,冬期が終った段階で,これから集計を行う予定である。 表に示す様に1991〜1992年の冬期は,血清型1が優位を示し,2型は僅かに認められた。3型,4型になると更に頻度は少ない。ゲノムRNAの電気泳動に於てもB群,C群のロタウイルスはこれらの検体の内には見い出されなかった。 (2)B群ロタウイルスの抗体保有率について 中国で成人も罹患するB群ロタウイルスについて,わが国ではブタでは存在が確認されているものの,ヒトに於ては現在まで抗原が見い出されていない。わが国の新生児から成人に渡る年齢毎のB群ロタウイルスに対する抗体保有状況を調べたところ,抗体の存在は見い出されなかった。 (3)ヒトC群のロタウイルスの培養はまだ成功していない。C群ロタウイルスの抗原検索用のラテックス凝集及びEIA用抗体を作る目的で,ブタCowden株の培養を行った。ウイルスの精製が終り,モルモットに高度免疫抗体を作成中である。
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