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1992 年度 実績報告書

川崎病疾患に於ける好中球活性酸素生成異常症の解析

研究課題

研究課題/領域番号 04670630
研究機関国立小児病院

研究代表者

綱脇 祥子  国立小児病院, 小児医療研究センター・炎症, 研究員 (00211384)

研究分担者 倉辻 忠俊  国立小児病院小児医療研究センター, 炎症, 室長 (60051728)
柿沼 カツ子  東京都臨床医学総合研究所, 炎症, 部長 (30109946)
キーワード活性酸素 / NADPH oxidase / Affinity label / 慢性肉芽腫症 / 細胞質因子
研究概要

常に活性酸素を放出することは、生体に対して毒性があり、通常、活性酸素生成系(NADPH oxidase system)は、不活性型である。細胞刺激後、細胞質因子が細胞膜へ移行して活性化され、NADPHから電子を受取り0^-_2を生成すると考えられている。しかし、集合した電子伝達系の入口であるNADPH結合タンパク質は、精製されていない。好中球をPMA刺激すると、細胞質因子は細胞膜へ移行し、10分後、かなりの細胞質因子(p47-phox、p67-phox)が膜結合型となった。NADPHアナログ[^<32>P]2',3'+dialdegyde NADPH(oNADPH)を合成し、高い活性酸素生成能を持つ活性化膜をアフィニティーラベルしたところ、84kDaの位置にバンドが認められた。過去において、膜ではなく細胞質側にNADPH結合部位が存在すると考えられてきた。しかし、47kDa、67kDaの位置にバンドは認められなかった。最近、cytochrome b_<I58>のβ-subunit(91kDa)が同一分子にFADとNADPH結合部位を持つとするflavocytochrome説が提唱されている。しかし、91kDaの位置にバンドは認められなかった。分子量84kDaは、91kDaと近似しており、β-subunitへの結合である可能性がある。そこで、β-subunit欠損型の慢性肉芽腫症患者好中球を用いてアフィニティーラベルを行ったところ、検討した19例中全ての患者において正常好中球とほぼ同じ結合活性を示した。更に、p47-phox、p67-phoxは、強いGTP、ATP結合活性を持っていた。以上の結果から、細胞質因子は、NADPH oxidaseの活性化を制御するnucleoside triphosphate結合タンパク質であり、電子伝達系の入口であるNADPH結合タンパク質は、細胞膜上に存在する84kDaタンパク質である可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Miki,T.Yoshida,L.Kakinuma,K.: "Reconstitution of superoxide-forming NADPH oxidase activity with cytochrome b_<558> purified from porcine neutrophils" J.Biol.Chem. 267. 18695-18701 (1992)

  • [文献書誌] Itoh,Y.Ohyashiki,K.et al.: "All trans retinoic acid induced enrichment of morphology and functionally normal neutrophils in vivo in a patient with acute promyelocytic leukemia" Leukemia. 6. 806-808 (1992)

  • [文献書誌] Yoshida,L.S.Chiba,T.Kakinuma,K.: "Determination of flavin contents in neutrophils by a sensitive chemiluminescence assay: evidence for no translocation of flavoproteins from the cytosol to the membrane upon cell・・・・・" Biochim.Biophys.Acta. 1135. 245-252 (1992)

  • [文献書誌] 飯塚 敦夫 市橋 光 その他: "先天性好中球接着蛋白質欠損症の1例とガンマ・インターフェロンの接着蛋白質発現への作用" 日本小児科学会雑誌. 96. 1538-1543 (1992)

  • [文献書誌] 倉辻 忠俊: "慢性肉芽腫症の診断と治療" 小児感染免疫. 4. 57-60 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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