研究概要 |
甲状腺腫瘍に於ける^<201>Tl集積と細胞増殖能指標との比較検討については甲状腺腫瘍12症例(甲状腺乳頭癌8例、良性腫瘍4例)と慢性甲状腺炎2例を対象に検討した。^<201>Tlシンチグラフィは^<201>Tl静注後early scan,delayed scanともScintipacにデータを収集し、病巣部とバックグランド領域に関心領域を設定してlesion/back ground ratio(LBR)を求めた。一方、これらの症例にエコー下で針生検を行ない、得られた組織のDNA ploidyとPCNAの発現率をflow cytometryにより検討した。この検討より、甲状腺腫瘍への^<201>Tl集積と細胞増殖能指標とは関連性のある事が示唆された。 マウス移植腫瘍の^<14>C-DG集積性の検討と腫瘍の増殖能の評価については今回新たに樹立したヒト甲状腺乳頭癌自家樹立培養細胞株AC2を用い^<14>C-DG集積性を検討した。^<14>C-DGによるオートラジオグラフィは^<14>C-DGを腹腔内投与し60分後に屠殺、マクロ及びミクロオートラジオグラフィー法に供し、合せて臨床例と同じ方法で腫瘍のDNA ploidyとPCNAの発現率を検討した。また、AC-2担癌マウスにbromo-deoxy uridine(Brdu)40mg/kgを前投与して60分後に屠殺、腫瘍を摘出して抗Brdu抗体を用いて免疫組織化学染色を行ない、xenograft内のS期細胞の発現について検討した。この検討により、新たに樹立したヒト甲状腺乳頭癌自家樹立培養細胞株AC2への^<14>C-DG集積を確認した。また、この細胞は穏やかな増殖能を有すると考えられた。
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