研究課題/領域番号 |
04670663
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
安東 醇 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50019915)
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研究分担者 |
真田 茂 金沢大学, 医療技術短期大学部, 助手 (50020029)
平木 辰之助 金沢大学, 医療技術短期大学部, 教授 (50019890)
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キーワード | ガリウム-67 / オートラジオグラフィ / 悪性腫瘍 / 炎症巣 |
研究概要 |
^<67>Ga-citrateは悪性腫瘍および炎症巣の陽性描画に使用されている。しかしながら、^<67>Gaのこの病巣への集積機序は未だ不明な点が多い。本研究は炎症巣への^<67>Gaの集積状態を正確に把握し、さらに^<67>Gaのこの病巣への集積機序を解明するために行った。テレビン油を皮下に注入して炎症を惹起したラットを使用し、^<67>Ga-citrateを静注して24時間後の炎症巣への^<67>Gaの集積率を調べたところ、テレビン油注入5〜7日後が最大であった。この値は他のどの臓器組繊の値よりも大きかった。同様のラットを使用して全身オートラジオグラフィにより、^<67>Gaの炎症巣への集積を調べたところ、^<67>Gaは炎症巣の辺縁部に密集しており、中央部付近にはわずかに認められるのみであった。ついで、マクロオートラジオグラフィにより炎症巣付近を詳細に観察したところ、膿瘍の辺縁部等に好中球の密集部があったが、この部位に^<67>Gaの密集は認められず、このことから好中球は^<67>Gaの炎症巣集積に重要な役割をしていないことが明白となった。この観察において、膿瘍の外側で好中球およびマクロファージが混在して浸潤した皮下組織に^<67>Gaの強い集積が認められた。ミクロオートラジオグラフィで観察の結果、この皮下組織で^<67>Gaは主に細胞間隙に存在していることが明らかとなった。また静注した^<67>Ga-citrateが炎症組織の血管から組織中へ多量に漏洩していることがわかった。これらの事実および文献等から、^<67>Gaは炎症巣で透過性の亢進した血管から、膿瘍の外側の好中球およびマクロファージが混在して浸潤した皮下組織へ多量に漏洩し、そこで細胞間隙に存在する酸性ムコ多糖に結合して存在すると推定された。
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